批判の効果

承前*1

『朝日』の記事;


自民の高知市議、福島社民党首を批判 福島党首は抗議へ
2007年02月23日20時50分

 自民党高知市議の島崎利幸氏(72)が22日、自らの講演会で「社民党(党首)の福島さんは機械のさびきった、子どもの産めないおばさん連中を引き連れて『大臣辞めろ』と言っている」と発言した。福島氏は23日、「こういう発言はあらゆるレベルで許していけない」と強く批判、社民党高知県連を通じ島崎市議に抗議するという。

 島崎市議は23日、朝日新聞の取材に対し、22日に高知市内で開催された講演会でこの発言をしたことを認めた上で、野党が柳沢厚生労働相の「女性は子どもを産む機械」発言を批判することで「国会審議が停滞している」と抗議の意味を込めた、と説明した。

 島崎氏は「自分の性格は、言いたいことを胸にしまっておくタイプではない。これからも言いたいことははっきりと発言していく」と述べ、福島氏の抗議には「おれも大臣並みの扱いか」と語った。
http://www.asahi.com/politics/update/0223/009.html

例の「柳澤発言」をネタとして延命させることに貢献したということになるのだろうか。自民党中央としては、土包子が余計なことをいいやがってと歯ぎしりしているのかどうかはわからないが、チョイタゴの政治家というのは〈ネタ製造機械〉としてメディア等にとっては重宝な存在であったということはある。
そんなことよりも興味深いのは、この島崎という人が「福島氏の抗議には「おれも大臣並みの扱いか」と語った」ということである。この人は高知の地元では既に有名な人だったかも知れないが、この件で一躍全国区的な人物になった。記事も高知版ではなくて全国版である。批判することの効果は先ず何よりも相手を批判されるに値する人格として認めてしまうということだ。「機械」を相手に批判しても仕方がない。
話は変わるが、http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20070221/p1でArisanが「朝鮮総連」について触れている。Arisanの論旨からはずれるのだが、日本の左翼は「朝鮮総連」なり北朝鮮を(蘇聯や中国に対して行ったように)批判するということが少なかったように思われる。蘇聯や中国とは違って正面から批判するに値しないマイナーな存在として捉えられていたといえようか。「朝鮮総連」なり北朝鮮に対する左翼的な批判が稀少であったことが昨今のような「朝鮮総連」なり北朝鮮に対するウヨ的なバッシングの野放し状態の一因にもなっているという側面はあるんじゃないか。
ところで、原題「近日中」が何故「吹けよ風、呼べよ嵐」になるのか。