狂犬病

上海に戻る前に日本で狂犬病の予防注射を受けておきたかった。何と言っても、中国は狂犬病に関しては世界有数の危険国である。また、日本では比國帰りの人が狂犬病で死亡して騒ぎになっているということは既に知っていた。近所の保健所で予防注射をできると思っていたのだが、さにあらず。保健所で幾つかの診療所を紹介してもらったのだが、その何れもが狂犬病のワクチンは在庫がありませんということだった。ということで、狂犬病の予防注射を受けることは諦めた。
医療体制は日本国内では狂犬病は発生しないという前提で作動しているということがわかった。あの比國帰りの人だって、数十年ぶりの狂犬病による死者だ。実際、日本の犬管理体制は中国と比べるとかなり優れていると思っていた。中国では、犬を飼うのを抑制しようとして*1、犬の登録を煩雑化・高額化したため、一方では犬を飼うことが金持ちのステイタス・シンボルとなったが、他方では庶民や貧乏人はモグリで犬を飼う。さらに、予防注射の公正な価格設定も定まっていない。それによって、狂犬病のリスクが高まる。ところが、コンビニで週刊誌を立ち読みしていたら、たしか『週刊朝日』だったか、実は日本に生きる犬の狂犬病予防接種率は既に50%を割っていると出ていた。とすれば、上に書いたような体制で大丈夫なのか。

*1:以前は都市部においては犬を飼うことは禁止されていたと思う。