TB returns

中日新聞』の記事;


名城大付属高校で教諭が結核、生徒ら39人感染 

2014年7月2日 11時57分

 名古屋市中村区の名城大付属高校で、40代の男性教諭が肺結核を発病し、生徒や卒業生、別の教諭の計39人が感染していたことが分かった。感染者のうち4人は発病し、投薬治療を受けているが、行動制限などはなく、普通に生活しているという。同校が2日、記者会見し、明らかにした。

 同校によると、男性教諭は昨年秋ごろからせきなど症状があったが、今年3月まで授業を続けていた。男性教諭は3月末に市内の病院で肺結核と診断されて入院。6月に退院し、自宅療養している。

 市保健所の指導により、男性教諭が授業などを担当した生徒と卒業生、全教職員の計293人が検査を実施。その結果、生徒20人と卒業生11人、教職員8人の感染が確認された。

 これまでに女子生徒1人と卒業生2人、男性教諭1人の発病が確認され、女子生徒は検査入院中という。保健所の調査で、さらに感染や発病が広がる恐れはないという。

 同校は保健所や県と相談した上で、病気に関する知識がないために生徒が差別される恐れがあるなどとして公表を控えてきたという。

 鈴木勇治副校長は「皆さまにご心配をお掛けし、申し訳ない。生徒をお預かりする責任を自覚し、教員の健康管理を徹底したい」と話した。

 (中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014070290113331.html

さて、「結核」についての2013年の『毎日新聞』の記事;


夕感!:なくならない「結核」 昔感染し高齢で発病、ワクチン効力消失も

毎日新聞 2013年08月07日 西部夕刊

 公開中の映画「風立ちぬ」(宮崎駿監督)でヒロイン菜穂子が苦しんだ結核。幕末の志士、高杉晋作俳人正岡子規ら多くの犠牲者を出した「国民病」だが、実は現在も新たな患者が出続けている。今年1月以降の報告分だけですでに1万4827人(7月28日現在)。なぜ撲滅できないのか。【藤野基文】

 結核は患者のくしゃみやせきで飛散した結核菌を吸い込んで広がる感染症だ。1950年まで日本人の死因1位で「亡国病」と言われた。51年に結核予防法が制定され、新たな患者数は年約10%ずつ減少したが、80年代に減少率が鈍化。99年には6・8%増となり、旧厚生省(現厚生労働省)が一時「緊急事態宣言」を出した。その後は年約4%の減少率にとどまる。近年の新たな患者は年約2万3000人、死者は同2000人以上だ。

 結核予防会結核研究所(東京都清瀬市)によると2011年に報告された患者2万2681人のうち80歳以上が32・3%、70代が21・5%。同研究所の加藤誠也副所長は「昔結核に感染した人が高齢になり免疫力が落ちて発症していることと、都市化で感染が広がりやすくなったことが原因」と指摘する。

 もともと結核菌は増殖速度が遅い。免疫機能に抑えられて休眠状態に入ることがあり、感染から2年以内の発症は約1割。一生発症しない人もいれば、数十年後に突然発症する人も。予防ワクチンのBCGが6〜8割の人にしか発症抑制効果がなく、10〜15年で効力を失うことも背景にあるとみられる。
 ◇見逃せない「見逃し」

 「結核の減少には早期発見・治療が重要」と結核予防会複十字病院(同)の吉山崇診療主幹は強調する。しかし最近は医師が結核と気付かない場合も多い。

 埼玉県の女性は5月上旬から体のだるさが1週間続き、時々38度を超える熱が出た。せきはなく右背中が痛んだ。下旬に医療機関を受診。妹が10年前とその数年後に結核になったと医師に伝えたが「結核はないと思う」と言われた。最終的にたんの検査で結核と判明。診断まで約3週間かかった。
http://mainichi.jp/area/news/20130807ddg001040002000c.html

 結核の典型的症状は2週間以上続くせきやたん、倦怠(けんたい)感、急な体重減、発熱などだが、吉山主幹は「全ての症状が必ず出るわけではなく、見分けるのは簡単ではない」と話す。血痰(けったん)が出るのはかなり進行した状態だ。同研究所によると、症状が出てから受診するまでに2カ月以上たっている場合が20%弱。さらに初診から診断までに1カ月以上かかる場合が20〜27%もある。
 ◇多剤耐性菌の懸念

 ほとんどの人は薬で回復するが、高齢者や重症者、多剤耐性菌の感染者は死亡することがある。吉山主幹によると再発患者の4%、初めての患者の0・4%は標準治療薬の「イソニアジド」や「リファンピシン」が効かない多剤耐性菌の感染者。ほかの治療薬では副作用が出ることが多く、通常は約半年の治療が最低1年半と長びく。世界では毎年880万人の患者が発生、140万人が命を落とす。国内の新登録患者のうち20代の3割は外国籍だ。加藤副所長は「感染症に国境はなく、国内対策だけでは手に負えない」と結核が流行するアジア、アフリカ、東欧への支援を訴える。
http://mainichi.jp/area/news/20130807ddg001040002000c2.html

See eg. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140221/1392950408 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110701/1309543976 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100115/1263531506 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080901/1220239787