Private matters

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0610/25/news070.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0610/25/news070_2.html


問題は2つあるのだと思う。
1つ目は単純なことで、blogから読み取れる個人の政治的スタンスその他を理由に採用を拒否するような企業は徹底的に晒して、糾弾すればいいということ。
2つ目だが、結局個人にとっての就職活動というのは私事であるということだ。また、企業活動も私事である。何のために就職するのかといえば、給料を得るためであるし、企業の存在意義は第一義的には営利である。そんなものは端っから〈公共性〉を名乗る資格なんかないのだ。プライヴェートな存在間に横たわる掟として、プライヴァシーの尊重ということがあるわけだ。企業の担当者が、学生が自らのblog*1に自らの企業について(それとわかる仕方で)ぐだぐだと書き連ねてあるのを見たら、怒るのは当然である。プライヴァシーの侵害ということだ。そんなものは、Mixiとかクローズドな場所でやってろということになる。さらにそういう人というのは、企業にとってはクリティカルな問題である顧客やクライアントのプライヴァシー保護の能力にも疑いがあるということが帰結されたりするので、採用しなくて正解ということになる。
理論的には2つの問題はくっきりと区別できるわけだが、現実には勿論その境界が自明なものであるわけでもない。何れにしても、記事にあるように学生に自己防御的な姿勢を勧めればいいという問題ではない。

*1:これはプライヴェートではなく公共的な場だ。