海賊版の話

 李燕「非法印售地図 庭審時後悔痛哭」『東方早報』2006年5月10日
 XU Fang “A first as accused in court over map piracy” Shanghai Daily 10 May 2006


今年の1月に公安機関は安徽省出身の謝明斉が借りていた倉庫を捜索し、海賊版の上海地図12,4797枚を押収した。謝は77,000枚を印刷し7,000枚を売り捌いたことを認めた。海賊版印刷は先ず、2005年初めにWang Jian(浙江省出身)が始め、謝は顧客へ商品を納品するために雇われたという。その後、Wangはこの商売から撤退し、地図のネガと地図50,000枚が残された。今度は謝が商売を引き継いだ。謝によると、地図1部当たりのコストは0.6元で、それを平均1元で卸していたという。小売価格は1枚3〜5元。彼の収益は計20,000元に上ったという。
謝は「侵犯著作権罪」で告訴されたが、海賊版地図の印刷・販売によって「侵犯著作権罪」に問われたのは上海では初のケースである。法によれば、刑は3〜7年の懲役。最初に手引きしたWangがその後どうなったのかは知らず。謝は、法廷で妻が傍聴しているのを見るや否や、「後悔」の余り、声を上げて泣き出してしまったという。
上海では、毎年100万枚の海賊版の地図が売られており、出回っている地図の3分の1は海賊版であるという。


 李燕「《四庫全書》電子版訴易趣賤売盗版」『東方早報』2006年5月10日


こちらは、正規版であれば85,000元する『文淵閣四庫全書電子版』の海賊版が60元で、オークション・サイト「易趣網」*1に出品されていたとして、正規版の版元である香港の「迪志文化出版有限公司」がサイトを運営する「上海易趣貿易有限公司」と「億貝易趣網絡信息服務(上海)有限公司」を、著作権侵犯を「幇助」したとして、50万元の損害賠償を求めて、告訴した。


 顧文剣「提供仮烟“制造作坊”房東獲刑三年」『東方早報』2006年4月25日


これは先月の記事。
浦東の三林鎮に住む陳玉(仮名)は自分が所有する部屋を林某に貸していたが、途中で林がその部屋で海賊版の煙草を製造しているのに気付いたにも拘わらず、「報復」を恐れて、そのまま貸し続けた。これは「仮冒注冊商標罪」を構成するとして、「上海市浦東新区法院」は、陳に対して、禁固3年(執行猶予3年)及び罰金1.2万元の判決を下した。


上海で出回っている海賊版でいちばんやばいのは香水。これはマジで皮膚がかぶれる。


最後に、海賊版ではなく、〈密輸〉


 李〓*2、呉曉蕾「上海査獲瘋牛病疫区牛肉」『東方早報』2006年5月10日


中国では狂牛病発生国からの牛肉の輸入は禁止されており、日本からの和牛の輸入も禁止されている。先月、上海市の関係当局が銅川路にある卸売市場を査察して、日本、米国、カナダから密輸された牛肉2頓以上が押収された。
神戸牛などの〈和牛〉をウリにしているレストランはけっこうあるのだが、それは虚偽表示か密輸かどちらかだということになる。

*1:http://www.ebay.com.cn

*2:yi1. しめすへん+韋。