「一夫多妻」?

先月のではあるが、『産経』の記事なり;


“一夫多妻”男が「集団生活解消」 検察、懲役1年6月求刑

 東京都東大和市の自宅で“一夫多妻”の集団生活に女性を引き込もうと脅したとして、強要未遂と脅迫の罪に問われた無職、渋谷博仁被告(58)の論告求刑公判が二十八日、東京地裁八王子支部(小原春夫裁判長)で開かれ、検察側は渋谷被告に懲役一年六月を求刑した。
 論告前の被告人質問で、渋谷被告は「女性たちの将来も見据えて実家に帰るように説得し、自分も自立する」と集団生活を解消する考えを明らかにした。一方で「女性に囲まれて安心した」「すてきな夢を見せてくれた」と語った。
 論告で検察側は、「反倫理的な集団生活に引き込み、自己の物欲や性欲を充足させようとしたもので極めて自己中心的」と非難。「一夫多妻制は現代日本の社会倫理に著しく反し、社会的非難に値する」と指摘した。
 一方、弁護側は「深く反省し、集団生活を解消するため女性たちと話している」として執行猶予付きの判決を求め、結審した。判決は五月十九日。
産経新聞) - 4月29日3時1分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060429-00000020-san-soci 

そういえば、同姓同名の人がMixiにいて、〈ご本人〉なのかどうか、ちょっと盛り上がったことがあった。
それはそうと、「一夫多妻」というのはマス・メディアによる命名というか通称の筈なのに、記事によれば、それがいつの間にか「検察」側論告でそのまんま使用されている。これは如何に? 「一夫多妻」というのは手続き上不可能な筈で、実際に生起していたのは、複数の女性との同居である。
「一夫多妻制は現代日本の社会倫理に著しく反し」というが、日本社会にいるムスリムの人はどうなのかという突っ込みはありだろうが、それよりも「違法に重婚していたわけではないし、一緒に暮らしていたなどのライフスタイル自体は司法の場で云々するようなことではない本人たちの問題だろう」というkmizusawaさん*1の意見に同意する。