Invisible Children


Amelia Gentleman
"An Indian village's invisible children"


印度北部のUttar Pradesh州Bhaupur村の話。公式にはこの村では最近10年間1人の子どもも生まれていない。ゆえに出生率0%である。何故なら、もう5年か6年、出生届の用紙が送られてきていないからだ。1枚用紙があれば、それをいつでも複写できるかも知れないが、村にはコピー機はなく、コピーをするためには110km離れたところまで行かなければならない。ノートの切れっ端に出生届を書いて、上に提出したこともあったが、書類不備ということで突き返された。村役人たちは完全にやる気を失っている(Administrative apathy)。出生登録されない子どもたちの運命は、


Without the elusive birth certificate, the children have no legal status. Beyond a lingering uncertainty about their own date of birth, they are not able to obtain a passport, apply for an official job, get food rations, inherit land or prove that they are Indian. Getting educated and securing proper medical care become more complicated.
印度では新生児の42%が出生登録されておらず、このような僻地だけでなく、都市スラムにおいても殆ど出生登録はされていないという。印度で出生登録が義務化されたのは1969年のこと。

ところで、1990年代の中国における〈黒孩子〉(日本語では「闇っ子」と訳されていた)がさかんに報道されていた。最近ではあまり聞かない。ともかく、中国にはかなりの数の戸籍上は存在しない人間がいることは間違いない。
先月、地下鉄に乗っていたら、5歳くらいの男の子が突然泣き出し始め、どうしたんだろうと思っていたら、いかにも外資系に勤めるホワイト・カラーという感じの若い男性の前で突然土下座を始めた。男性はやれやれという感じで、子どもに金を渡して、電車を降りていった。次の瞬間、男の子は既に別の車輌に移っていた。彼が〈黒孩子〉、即ち法的には存在しない人間なのかどうかはわからない。