二階建てバス

 侯孝賢監督は地下鉄が嫌いだという。だから、『珈琲時光』は東京の鉄道を巡る映画であるのに、JRお茶の水駅のホームから眺められた丸の内線以外は、地下鉄は登場しなかった。
 上海に限らず、都市の内部を巡る交通機関としては、路線バスに如くものはないといえる。勿論、いつ渋滞に巻き込まれるかわからず、そのため、ビジネス向きとしては不可ということはあるかもしれない。但し、時間的な効率ということには反しているかもしれないが、どこの都市でも路線バスというのは意外な迂回路を採ることが多いので、意外な風景に遭遇するというお楽しみがある。その上、上海では経済的なお得感がある。どこまで乗っても2元で済むのだから。
 さて、


 長く淮海路から虹橋地区を結んでいた「911番」の2階建てバスが、ついに全車廃車されることになった。2006年1月からVOLVO型の空調バスに置き換えられる。
 この「911番」のバスは、1993年に運行が開始され、上海で始めての2階建てバス路線として、注目を集めた。バスの2階から見る景色は新鮮で、座席数も多いので人気だった。その後、車両の改良が進められ、現在投入されているバスのほとんどは2000年製で、まだ5年ほどしか運用されていない。
 しかし、淮海路沿線の交通量が激増し、体積の大きい2階建てバスは渋滞の元凶になっていた。また騒音など環境に関しても基準のクリアが難しい。そこで、巴士集団では46台全車の廃車を決定した。
 上海市内には現在258台の2階建てバスが運用されている。しかし、ニーズの変化から徐々に廃止されていく見込みで、事故などのトラブルが頻発している909番バスに関しても更新を進めていく。
 上海の街から2両連結バスが廃止されて久しいが、2階建てバスも街の風景から消えることは、なにか寂しい。
http://www.explore.ne.jp/news/article.php3?n=1927&r=sh


ということだ。
 記事では、「バスの2階から見る景色は新鮮で」とあるが、私にいわせれば〈スリリング〉である。直前を走っていたちゃりんこ、踏みつぶされたんじゃないかとか。
 上でいう「2両連結バス」も中国的風景のひとつではあったけれども、市の中心部ではとっくの昔に禁止された(When?)輪タクは、少し西側に行けば、今でも現役として活躍している。
 ところで、同じサイトのニュースだけれど、


 上海人の食の多様化に伴い、アルコールの趣向も変化してきている。
 12月19日に開催された上海市醸酒専業協会主催の「2005年上海国際酒飲博覧会」で、上海市のぶどう酒の消費量が、中国の伝統的な白酒の消費量を抜いたことが明らかになった。
 上海市の本年度の酒類の消費量は120万キロリットルで、過去最高を記録した。このうちビールの消費量は100万キロリットル、黄酒(紹興酒)の消費量は18万キロリットル、ぶどう酒の消費量は5万キロリットル、白酒の消費量は4万キロリットルとなっている。
また、ぶどう酒は中国に200品目ほどあるが、そのうち150品目は海外からの輸入品となっている。
http://www.explore.ne.jp/news/article.php3?n=1926&r=sh
どう考えても、計算が合わない。