そう、「西洋」。この場合の「西洋」というのは(広義の)カトリック圏ですね。所謂カトリック圏+(カトリックに逆らって生まれた)プロテスタント圏*1。同じキリスト教圏でも、東方教会の方では(吸血鬼は生まれたものの)魔女狩りはなかったと言われています(平賀英一郎『吸血鬼伝承』*2)。
id:nessko
魔女って、日本人はだいたいおとぎ話に出てくるほうきに乗って飛んでる老婆くらいしか頭に浮かびませんけれども、でも「魔女」って、たぶん翻訳語でしょうね。日本の昔話には出てこないし。
西洋だと、魔女と聞くとすぐ魔女狩りを連想してしまうところが今でもあるのでしょうか?
あんな気持ちの悪いことしてたのは西洋だけですね。
「魔女狩り」自体は西洋に特異なものですが、逸脱者に対するミクロな制裁ということだと、日本の農民社会における「魔女狩り」の機能的等価物は〈憑き物〉です*3。こうした意味における〈憑き物〉については、吉田禎吾『日本の憑きもの』、小松和彦『異人論』、『憑霊信仰論』を取り敢えず参照のこと*4。
さて、「魔女」はwitchなどの翻訳語です。witchは英語ですが、仏蘭西語は sorcière、伊太利語は strega、西班牙語は bruja、独逸語は Hexeで*5、全然似ているところはない。同じ羅典系の伊仏西も、ゲルマン系の英独も。これは魔女によってばかされているということなのだろうか。
*2:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20120611/1339386585
*3:勿論、憑かれた被害者が非難されるのではなく、キツネなどの霊的動物を操って憑き物を起こした(と判定される)側が非難される。秩父、出雲、隠岐などの地域では、霊的動物を操る者は〈憑き物筋〉として、その血筋が差別の対象となっている。でも、ムラ社会の統制と原題の陰謀理論において極めて似たロジックが支配していることは注目すべきだろう。
*4:See https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110621/1308676863



