白いケモノ*1「ロリータのある程度のウケについて少し。」https://abyss.hatenablog.jp/entry/2024/04/27/141737
曰く、
実際、現在のファッションのテイストとしての「ゴシック」(「ゴス」)と中世の建築様式としての「ゴシック」はかなり間接的な関係しかない。19世紀的な「ゴシックホラー」はそれよりは関係が近いかも知れないが、より直接的な起源は1980年代におけるブリティッシュ・ロックの潮流のひとつである。ポジティヴ・パンクとも謂われたゴシック・ロック(ゴス)という潮流。代表的なミュージシャンを列記すれば、
ゴシックの元々の意味は、ゴート人風、ルネサンス期のイタリア人が、より北のドイツとかでの様式を侮蔑的な意味合いを込めて言った言葉である。この頃は主に建築様式。
で、イギリスのヴィクトリア朝辺りで「ゴシックリバイバル」があり(書籍の受け売りだが)、特にイギリスで廃墟マニアみたいなノリがあったのだ。当時のホラーベースなのをゴシックホラーという。も少し現代では広く解釈されてるが、スチームパンクと馴染みがいいのはそのせいで、ゴスロリもその辺りのファッションイメージを踏まえている。ロリータファッション自体はメルヘン雰囲気を持ってきてたが、ゴシックの過剰な華美さや、夜会のドレスなイメージ持って来てる。
まあ、この頃の時代のフォーマルやカジュアルの感覚が今も続いているとは言えるのだが、ゴスロリはめちゃくちゃ雑に言うと、大人がランドセル背負ってるくらいの違和感はあるもので、ああうんいやまあ好きにしたらとは思うが。
ザ・ダムド
スージー・アンド・ザ・バンシーズ
ジョイ・ディヴィション
バウハウス
ザ・キュアー
シスターズ・オヴ・マージー
ヴァージン・プリューンズ*2
といったところだろうか。なお、私見によれば、1980年代の当時から、ゴスのファンはケイト・ブッシュのファンとかなり重なっていた。それはともかくとして、ダークなファッションとしての「ゴス」は、ゴシック・ロックの(「ポジティヴ」と呼ばれていたにも拘らず)ダークな雰囲気や世界観、そのミュージシャンやファンのダークなファッションに由来するものだ*3。
「ゴス」と「ロリータ」が結合した「ゴスロリ」*4は日本的なものとされる。
また、「ゴシック・ファッション」という項では、
ゴシック・アンド・ロリータ (Gothic & Lolita) は、本来異なるゴシックとロリータの要素を結びつけた日本独自のファッションスタイル。またそのようなサブカルチャーを指して言う語。ゴスロリと略して呼ぶことが多い。カルチャーとしてのゴスロリは、ヴィジュアル系バンド、嶽本野ばらの提唱する「乙女」、ドール文化などの要素を内包する。一般的にはロリータ・ファッションの総称ととらえられているが、本来はロリータ・ファッションというカテゴリーの中のジャンルの一つである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BF
と書かれている。しかし、どのような経緯で日本において「ゴス」と「ロリ」が結合されたのかということは、Wikipediaの記述からはわからないのだった。
その後、日本ではゴシック・ファッションをロリータ・ファッションと組み合わせたゴシック・アンド・ロリータ(略称ゴスロリ)が生まれる。ゴシック・アンド・ロリータ・ファッションにおいてのゴシックの要素とは、クラシカル系ロリータの「クラシカル」やパンクロリータの「パンク」と同様、モチーフや色調のみによる非常に曖昧な定義であり、ゴシック・ファッションのシルエットはゴシック・アンド・ロリータでは取り入れられていない。また、そもそもゴシック・アンド・ロリータで表現される「ゴシック」の要素と、欧米など海外で表現されるゴシック・ファッションの「ゴシック」の要素とは微妙に意味が異なる。
ゴシック・アンド・ロリータは、ゴシック・ファッションよりもロマンティックでセンチメンタル、ナイーヴな要素が強い。ゴシック・アンド・ロリータは、ゴシック・ファッションにロリータ服のテイストを加えたというよりも、ロリータ・ファッションで表現される精神性を基盤にゴシック・ファッションを引用し、とりいれた服装であるといえ、そのため、ダークカラーの薔薇や耽美な蝶といった、ゴシックよりも、いかにもロリータ・ファッションの少女が好みそうなゴシック小説の要素が、ゴスロリでは強調されている。
現在、一般的にはゴシック・ファッションよりもゴシックロリータ・ファッションの方が有名であり、世間で言う“ゴスロリ”と混同されがちである。また、ゴシック・ファッションの意匠が一部のヴィジュアル系バンドに取り入れられているので、ヴィジュアル系バンドの衣装コスプレと捉えられてしまうこともある(ゴシック、ゴシック・ファッションの愛好者はゴシックロリータやヴィジュアル系バンドの衣装と混同されることを好まないとされる[誰によって?])。また、パンク・ファッションとの混同もみられる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
「ゴスロリ」は「日本独自のファッションスタイル」ということなのだが、「アトリエピエロ」というセレクト・ショップのサイトでは、「ゴスロリ」のブランドとして「ヴィヴィアン・ウェストウッド」*5が筆頭に挙げられているのだった*6。これはなるほどな、と思った。
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20150619/1434649851 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/10/08/145741
*3:音楽としての「ゴス」については、VICE Japan「ニュー・ウェイヴのススメ ② ゴシック/ポジティヴパンク」(https://www.vice.com/ja/article/qvedad/new-wave-gothic-positive-punk)が詳しい。
*4:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20080310/1205113889 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20130617/1371461484 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/03/20/022607
*5:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20100413/1271151830 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20100528/1275014697 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20150608/1433746522 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170105/1483581503 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/04/05/101010 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/12/30/140552