奈良県橿原市小網町の入鹿神社
— 幣束 (@goshuinchou) 2023年9月17日
乙巳の変で暗殺された蘇我入鹿を主神として祀る日本唯一の神社です。
というわけで一日だけ奈良に来ました。 pic.twitter.com/Emrl4bIlSR
奈良県橿原市に蘇我入鹿*1を祀る「入鹿神社」*2がある。こんな神社はここだけなのだという。また、小網町の隣町である橿原市曽我町には「宗我坐宗我都比古神社」がある*3。「入鹿宮」という通称もあり、蘇我馬子*4が創建したという伝承がある。
ところで、6月に蘇我入鹿の「怨霊」に関するツィートを幾つかRTしていたのだった。
蘇我入鹿の首が落ちた伝承が複数箇所あるのは全然知らなかった。三重県松阪市の首塚の力尽きて落ちたってのは平将門の首飛翔と混ざってる感がありますね。力尽きて落ちたってなんやねん首飛ばされたついでにどこまで飛べるか挑戦したろみたいになってて若干草。https://t.co/xqnhGaIDAQ
— 幣束 (@goshuinchou) 2023年6月12日
蘇我入鹿はなぜ怨霊化しなかったかという反応を頂いたが、明確にそれとは書かれてないが、日本書紀の斉明天皇の記事で出てくる葛城山の方から出現した笠を被り龍に乗って空を掛けた者、また斉明天皇の葬儀を山の上からじっと見る蓑笠を付けた鬼、が入鹿と蘇我氏の怨霊的なモノではという考察があります
— 幣束 (@goshuinchou) 2023年6月13日
斉明天皇は日本書紀の中で大規模な土木工事とかして運河作ったりしてちょっとやべえっす付いてけねえっす的に批判されたりしてるのでその治世の異常さをこの怪異、鬼の出現等で表してるとか言われたりして色んな捉え方がありその中で蘇我氏の怨念的な解釈があります。葛城山の方って蘇我氏の本拠だし
— 幣束 (@goshuinchou) 2023年6月13日
怨霊化するのは冤罪で死んだ人ではないでしょうか。身に覚えがある(と皆がみなす)と怨霊化しないのでは?
— 釈昶空(ねこにゃん) (@nekonyan_nippon) 2023年6月13日
その通りなんですが、この龍の人を蘇我入鹿の霊と解釈してるのは平安時代成立の扶桑略記からでして、その時代から既に蘇我も怨霊的なモノになったのでは?という解釈があったのですね。まあ怨霊という言葉の定義から考えないといけないですが。広く使えば悪さばっかした山伏が死後祟るのも怨霊ですし。
— 幣束 (@goshuinchou) 2023年6月13日
御霊会の初見は863(貞観5)5月20日ですが、政治的に非業の死を遂げた人々が御霊=怨霊となって疫病や地震・落雷・火災などを引き起こす原因と考えたり、怨みを残して死んだ者の霊(怨霊・御霊)を神として祀ると逆にその加護や利益を受けられるという御霊信仰、、、乙巳の変の頃にもあったのでしょうか。
— 菅原孝標女(さらちゃん) (@24zumi_Omikami) 2023年6月14日
怨霊=御霊の定義で言えばこの頃には無いと思います、怨霊=死者が祟りをなすという広い観念でいえばそれ以前でもあったのではと個人的に思います。龍の人=蘇我入鹿霊というのは御霊信仰成立後の扶桑略記等に記された物ですので、そこからこれを原・怨霊(的なモノ)へと解釈する説があるということですね
— 幣束 (@goshuinchou) 2023年6月14日
蘇我入鹿の怨霊といえば、後世には
— ミサンザイ 同人誌 「天皇を旅する本」「天皇を旅する地図」ほか BOOTHはじめました (@katsunomisanzai) 2023年6月14日
「蘇我入鹿の霊が南朝の末裔の王のからだを乗っ取って国家転覆のために大立ち回りを演じる」
という物語もつくられました。
この絵の左上が蘇我入鹿の霊、右にいるのが体をのっとられる南朝末裔、吉野王。 pic.twitter.com/thV4rTyeI5
僧籍に入っていた南朝の宮、入鹿の亡霊に体をうばわれた結果、すごい怪力になって人間の首をぶっこぬいてしまったり、穏やかだった顔が目のつり上がった恐ろしい相貌に変じたりとたいへんなことになってしまう。
— ミサンザイ 同人誌 「天皇を旅する本」「天皇を旅する地図」ほか BOOTHはじめました (@katsunomisanzai) 2023年6月14日
家臣の南朝公卿たちも悪心にわかにわきおこり宮と一緒に国家転覆を目論む。 pic.twitter.com/eOu3sNLLY9
もとは江戸時代にかかれたもので、この絵は明治になって再販されたときにリニューアルされたもの。
— ミサンザイ 同人誌 「天皇を旅する本」「天皇を旅する地図」ほか BOOTHはじめました (@katsunomisanzai) 2023年6月14日
吉野の古内裏に化け物がでてくる場面とかあるんですが、化け物たちがどこかユーモラスでこわおもしろい。 pic.twitter.com/JDaZRw9y3h
これは吉野の内裏に生えていた年を経た「雲井桜」の精ですが、なんかかわいいですね。
— ミサンザイ 同人誌 「天皇を旅する本」「天皇を旅する地図」ほか BOOTHはじめました (@katsunomisanzai) 2023年6月14日
手のくねっとしたところがとてもいい。 pic.twitter.com/9FuuK0guk8
つづきこちらhttps://t.co/jOe1sVFtwY
— ミサンザイ 同人誌 「天皇を旅する本」「天皇を旅する地図」ほか BOOTHはじめました (@katsunomisanzai) 2023年6月14日
See also
matapon「蘇我入鹿首塚 [奈良県]」https://cultural-experience.blogspot.com/2015/12/blog-post_12.html
蘇我氏の謎が大きいことは勿論だけど、その謎というのは結局、その先祖と伝えられる武内宿禰の謎に収斂してしまうのではないかと思った。
蘇我の末裔というのは平安時代の中期には六位まで行ければ御の字という地下人になって、そのまま明治に至ったようなのだ。ずっと零落しているもののかつては天下を牛耳っていたような家系では昔の話はどのように伝えられているのかということが気になった。蘇我だけなく、(そのライヴァルでもあった)物部や大伴(伴)の場合も。
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/01/22/112304 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/19/104356 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/12/18/022357
*2:http://dainichido.net/ See eg. https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A5%E9%B9%BF%E7%A5%9E%E7%A4%BE
*3:See eg. 奈良県神道青年会「宗我坐宗我都比古神社 そがにますそがつひこじんじゃ」http://www.narashinsei.com/search/%E3%82%B5%E8%A1%8C/%E5%AE%97%E6%88%91%E5%9D%90%E5%AE%97%E6%88%91%E9%83%BD%E6%AF%94%E5%8F%A4%E7%A5%9E%E7%A4%BE/ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%97%E6%88%91%E5%9D%90%E5%AE%97%E6%88%91%E9%83%BD%E6%AF%94%E5%8F%A4%E7%A5%9E%E7%A4%BE
*4:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170314/1489461980 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/12/18/022357 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/03/02/012806