「幣束」という方の連ツイ;
「広島へ行く」という表現が瀬戸内海あたりでは人が死んで彼岸へ行く、他界へ行く、ことを意味する(隠語的なもの)というのをこないだ知ったのですが、今も使っている人はいるのだろうか。ちょっと広島行ってきますって気軽に言えんですな
— 幣束 (@goshuinchou) 2020年8月4日
この表現が最初に使われたのは安芸の宮島・厳島であったのでは、とのこと。厳島は神の島である故、厳しく不浄ケガレを忌み、島に墓地は(今も)無く死者が出ると対岸の広島へ運び、島外の本土に埋葬した。そこから人が死ぬ=広島へ行くという表現ができてそれが各地に伝播したのでは、とのこと。
— 幣束 (@goshuinchou) 2020年8月4日
厳島では出産も島外で行われ、女性は産後百日を経てから島へ戻った。
— 幣束 (@goshuinchou) 2020年8月4日
広島へ行くと同義の変形バージョンに大阪へ行くってのもあるらしいがこれもうわかんねぇですね。
「広島へ行く」ということで、今の季節柄、原爆と関係あると一瞬思ったのだけど、関係はなかった。
「厳島神社」*1というか「厳島」(「宮島」)だけど、そもそも島そのものが御神体というか崇敬対象であり、居住が禁止されており、祭祀活動も対岸(本州)にある(祭神を同じくする)地御前神社*2で行わていたらしい。そもそも、「厳島」は〈神の領域〉として他界であった。しかしながら、人が住み着くようになり、それに伴って現世的なものが侵入してくると、そもそもが他界であったにも拘わらず、「死」や「出産」という他界的なものというか、他界とのインターフェイスである現象が排除されるようになったと言えるのだろうか。
*1:http://www.itsukushimajinja.jp/ See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%B3%E5%B3%B6%E7%A5%9E%E7%A4%BE Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/12/09/110643
*2:http://www.itsukushimajinja.jp/setumatusya.html#setumatusya15 See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E5%BE%A1%E5%89%8D%E7%A5%9E%E7%A4%BE