鈍感を超えて

Via https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2023/04/26/092714

NHK京都放送局の報道;


舞鶴 路上に指先 配達員のものと判明 “車のドアに挟んだ”
04月26日 08時32分


24日、舞鶴市の住宅街の路上で人の指先が見つかり、警察の調べで市内の配達員の男性が作業中にけがをした際に、現場に残されたものだったことがわかりました。
男性は「車のドアに挟んでけがをしていた」などと話しているということです。

24日午後4時ごろ、舞鶴市朝来西町の路上で、帰宅途中の小学生が人の指のようなものを見つけ、母親が警察に通報しました。
鑑定の結果、人の指1本の一部であることが確認され、警察が捜査するとともに情報提供を呼びかけていました。
その後、現場から数百メートル離れた場所で「血の痕がある」といった情報が寄せられ、警察が付近の防犯カメラを調べたところ、市内に住む60代の配達員の男性が確認されたということです。
男性は警察に対し、「配達作業中に車のスライドドアに指を挟んでけがをした」などと話しているということです。
警察は「指先は男性のものであり、事件性はないと判断した」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20230426/2010017169.html

全然痛みの話が出てこない。「指」が取れちゃったことに気づかなかったのだろうか。でも、指を詰める*1というのがやくざの間で制裁でありうる理由のひとつは痛いということだろう。指は詰めますけど麻酔かけて下さいというのはありえない。もしかして、抑々痛みを感じることができない病気なのでは?
産経新聞』に掲載された文章;

命の危険にさらされる「先天性無痛症」
2018/6/10 09:00


 人類はいかにして痛みを軽くするか、そしてどのように人を痛みから解放するかを命題に試行錯誤を重ねてきた。現在、何らかの痛みに悩んでいる人にしてみれば、この世に痛みが存在しなければどんなに幸せなことだろうと思うに違いない。でも、痛みって本当に不要なものだろうか。

 人は、体の内から外から「侵害刺激」(痛みを生じる刺激)を受けると、恐怖や不快感、苦しみ、不安などの感情を伴った「痛み」として経験し、それを記憶する。この記憶によって有害な刺激を意識的あるいは無意識に回避し、体を防御しているのだ。では、痛みを感じない、痛みを経験しない場合にはどうなるのだろうか。

 この痛みを感じず、危険から回避ができない病気として「先天性無痛症」がある。「遺伝性感覚自律神経性ニューロパチー」(遺伝の様式、症状などからI~V型に分類されるが、IV型の「無痛無汗症」が多い)と呼ばれる疾患群がこれに当てはまる。生まれたときから痛み(内臓からの痛みも)を感じずに、自律神経の障害(発汗の低下ないしは消失、発作性の発熱)を伴う。わが国に多く、百人以上の患者さんがいるとされる。


 久坂部羊(くさかべよう)さんの小説「無痛」(幻冬舎)に登場するイバラはこの先天性無痛症であり、「足首には渦巻き状のケロイドがあるが(中略)蚊取り線香が倒れて、足の上で燃えたためにできた火傷(やけど)のあとである」と描かれている。イバラは、乳児期から、痛みを引き起こす危険(火傷など)から身を守ることができずに育ってきたのだ。


「予防注射を受けても泣かない」「入浴後や暑くても汗をかかない」として気付かれることが多い。歯が生える時期になると、歯で舌や唇、指を噛(か)むといった自傷行為を起こすようになる。その後は、けがによって皮膚を化膿(かのう)させたり、さまざまな部位の骨折などを繰り返すようになる。

 温度への感覚も鈍い、ないしは消失していることから、ストーブなどに直接触れていてもわからずに重篤な火傷を負ってしまう。また、内臓からの痛みを感じることができないために、「盲腸炎(もうちょうえん)」や「腹膜炎」などが見逃されることさえある。併せて発汗機能の異常によって、体温を調節できずに発熱を繰り返すことも多い。

 慢性痛に苦しむ患者さんにこの話をすると、痛みがないことをうらやましがるかもしれない。確かに、慢性痛からの解放は医療の永遠のテーマである。一方で、痛みを感じないために重篤な合併症に悩み、生命の危険にさらされている人もいる。ここでは、侵害刺激から身体を守ってくれる痛み(特に急性痛)の大切さについて、改めて考えてみることも必要だろう。(近畿大学医学部麻酔科教授 森本昌宏)
https://www.sankei.com/article/20180610-F47WLNXGGVLSHFPG6NV6XGWSI4/

「先天性無痛無汗症」については以下の資料も参照のこと;


難病情報センター「先天性無痛無汗症(指定難病130)」https://www.nanbyou.or.jp/entry/4360
国立成育医療研究センター「先天性無痛無汗症」https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/028.html
無痛無汗症の会「トゥモロウ」、2011 年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業検討委員会編『改訂版 先天性無痛無汗症―難病の理解と生活支援のためにー』 NPO 無痛無汗症の会「トゥモロウ」、2011 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/cyousajigyou/dl/seikabutsu1-2-02.pdf


ところで、「維新」の連中はこの配達員の前に出たら、身を切る改革なんて言えなくなるんじゃないか? それとも大阪府の名誉府民になってもらう?