松平頼暁

朝日新聞』の記事;


作曲家・生物物理学者の松平頼暁さん死去 前衛的な作風生涯貫く
1/10(火) 14:15配信


朝日新聞デジタル

 前衛的な作風を生涯貫き、オーケストラや室内楽から電子音楽まで膨大な楽曲を残した作曲家、生物物理学者、理学博士の松平頼暁(まつだいら・よりあき)さん*1が9日、肺炎で死去した。91歳だった。通夜は20日午後6時、葬儀は21日午前10時30分から東京都荒川区西日暮里6の55の1のメモリアルセレス千代田21で。喪主は孫理弥(よしみ)さん。連絡先は、遺族代理人の石塚潤一さん(略)。

 1931年東京生まれ。父は作曲家の松平頼則。作曲は独学。20代から国際現代音楽協会(ISCM)主催の音楽祭に招かれ、国際的な評価を得てきた。情念に偏りがちな音楽のありように疑問を抱き、音楽の様々な要素を数値化する音列技法を用いるなど、システム化した作曲の可能性を模索し、一柳慧ジョン・ケージの影響で数々の偶然性の音楽も手がけた。生物学を学び、立教大学の教授も務めた。「マリンバとオーケストラのための『オシレーション』」で第28回尾高賞受賞。紫綬褒章
https://news.yahoo.co.jp/articles/9126d5312990a74324a8ce25b89b7003d51d7fa0

藤倉大という作曲家のツィート;
「松平」という苗字からも明らかなように、徳川一門。水戸の分家だという。
ところで、「生物物理学者」としての側面に言及しているものを見つけることはできなかった*2。因みに、「生物物理学」*3とは、日本生物物理学会によれば、以下のような学問領域である;

生物物理学は、生命の本質を物理的考え方、物理的方法で研究し理解しようとする学問です。生命は物質で構成されています。その物質から、どのように生命現象が引き起こされるのでしょうか。生命を構成する物質には分子から個体そして生態系まで階層構造が見られます。生命らしさが現れる最も小さい単位は、タンパク質分子やDNAなどの生体高分子です。生体高分子が自己組織化して細胞小器官、さらには細胞が、そして細胞が集まることで器官や個体ができ上がります。様々な個体集団からなる生態系が生命の階層構造の最上位に位置しています、生物物理学の目的は、各階層における生命現象について、物質科学的基礎を理解し、その階層をつなぐ原理原則を見いだし生命現象を解き明かすことです。そのためには、革新的なアイデアや創意工夫を凝らした新しい研究手法や解析法の開発が必要です。研究者がその叡智を最大限に発揮する学問です。
(原田慶恵「生物物理とは」https://www.biophys.jp/highschool/about.html