前田耕作

東京新聞』の記事;


前田耕作さん死去 アジア文化史研究者、和光大名誉教授
2022年10月15日 08時29分


 前田耕作さん(まえだ・こうさく=アジア文化史研究者、和光大名誉教授)*111日午前、右腎がんのため死去、89歳。三重県出身。葬儀は近親者で行う。喪主は妻美禰子(みねこ)さん。
 64年にアフガニスタン中部バーミヤンを訪れて以降、仏教遺跡群の保護や調査活動に尽力。01年にタリバン政権が大仏*2を爆破後、各国の専門家と連携して保存に努めた。
 アジアの諸地域でも文化財保護に従事し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のアフガニスタン文化遺産保護国際調整委員などを歴任。自ら設立したアフガニスタン文化研究所の所長も務めた。著書に「巨像の風景」などがある。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/208325

NHKは「バーミヤン」について少し詳しい。

前田耕作さん死去 バーミヤンの仏教遺跡調査や保護に携わる
2022年10月14日 14時31分


長年にわたり、アフガニスタンバーミヤンの仏教遺跡の調査や保護に携わった和光大学名誉教授の前田耕作さんが今月11日、亡くなりました。89歳でした。

前田さんは三重県生まれ、1964年に名古屋大学の調査団の一員として初めてアフガニスタンの仏教遺跡バーミヤンを訪れて以来、アフガニスタンパキスタンなどアジア文化史を専門に調査・研究を行ってきました。

2001年に偶像崇拝を否定する反政府勢力「タリバン」によってバーミヤンで大仏などの貴重な遺跡のほとんどが破壊されてからはユネスコ=国連教育科学文化機関の依頼を受けて現地に調査に入るなどして文化財の保護や修復に取り組んだほか、戦災で国外に流出した文化財を返還する運動にも携わりました。

また、東京芸術大学客員教授として絵画の専門家と連携し、失われた美術品を復元する研究にも力を入れ去年は最新のデジタル技術を駆使して「青の弥勒」と呼ばれるバーミヤンの壁画を蘇らせました。

また、去年ふたたび、タリバンが首都に進攻し、政権が事実上、崩壊した際には、研究者仲間とともに現地の文化財の保護を訴える緊急の声明を発表していました。

前田さんはことし春から入退院を繰り返していたということですが、今月11日、がんのため、横浜市内の病院で亡くなりました。

89歳でした。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221014/k10013858691000.html

前田氏が宗教史・美術史の碩学であったことは当然なのだが、それとともに、ジョルジュ・デュメジルガストン・バシュラールミルチャ・エリアーデ、エミール・バンヴェニストといったヨーロッパ人文学の王道的碩学たちの訳者であったことも記しておく。