短い「永代」

ANNの報道;


「遺骨を持って帰って」納骨堂“突如閉鎖” 建物が強制競売に…説明会で檀家“紛糾”
[2022/10/14 12:41]



 「遺骨を持って帰ってくれ」と言われたということです。室内などに遺骨を納めることができる納骨堂が突如、閉鎖することを発表しました。説明会では、責任者から驚きの報告がありました。


■納骨堂が“突如閉鎖”「強制競売に」

 檀家(だんか):「毎日、毎日、手を合わせてやってきました。その気持ちに対して、あなたの所では、どういう答えをして頂けるのでしょうか」
 宗教法人の代表:「答えがない説明をしています。申し訳ありません」
 檀家:「説明会になっていないんだって」

 騒動の渦中にあるのが、札幌の宗教法人「白鳳寺」が運営する屋内納骨堂「御霊堂元町」です。

 9日から3日間にわたって開かれた説明会で、宗教法人の代表から納骨堂の現状について、驚くべき知らせがありました。

 宗教法人の代表:「建物は強制競売にかけられて、現在の所有者は○○というところになっています」


■納骨堂“差し押さえ”…1億560万円で落札

 競売にかけられた納骨堂は、10年前にオープン。札幌駅からは、直線距離でおよそ2キロ。最寄りの地下鉄元町駅からは400メートルで、アクセスの良い住宅街にあります。

 30万円のロッカー式から、9体分の遺骨が納められる250万円の豪華なタイプまで全6種類。およそ770人の檀家が利用しています。

 しかし、納骨堂の経営は、オープンして2年ほど経ったころから徐々に悪化。去年11月、ついに納骨堂自体が差し押さえられました。

 そして今年7月、競売で札幌の不動産管理会社が1億560万円で落札しました。


■「遺骨を持ち帰って」今月に建物“引き渡し”

 突然決まった納骨堂の閉鎖に、説明会に参加した檀家からは困惑の声が相次ぎました。

 説明会に参加した檀家:「(預けているのは)全部で6体ですかね。書面で何かちゃんとしたものがあるとかじゃなくて、口頭の説明だけで。弁護士もいなくて、もうどうしようもない」「皆もう詐欺にあったみたいだって。遺骨を皆、家に持って帰ってくれ。次の所は紹介する。だけど、お金は返せない。こうなったら仕方ないもんね」

 中には、閉鎖される前に、遺骨を持ち帰る人もいました。

 説明会に参加した檀家:「(納骨堂に)入れるうちに、遺骨を持ち帰るほうが良いかなと。泣き寝入りと言ったらおかしいが、今の状態ではそういうことだと思います」

 札幌地方裁判所は、納骨堂を運営する宗教法人に対し、今月27日までに札幌市の不動産管理会社に、建物を引き渡すよう求めています。


■「詐欺だ」落札後も納骨堂“お墓販売”

 さらに、説明会では新たな問題も発覚しました。

 競売で落札された後も、宗教法人は、納骨堂のお墓を販売していたのです。

 檀家:「(お墓を)最新で売った方は何月?」
 宗教法人の代表:「8月14日だったと思う」
 檀家:「一切(現状の)説明しなかった?」
 宗教法人の代表:「はい」
 檀家:「詐欺罪、成立しますよ」

 所有者が変わったにもかかわらず、檀家に納骨堂のお墓を販売した行為について、不動産トラブルに詳しい弁護士は、次のように話します。

 みずほ中央法律事務所・三平聡史弁護士:「第三者の手に渡ることが分かっていて、販売したということであれば、だましたことになるので、刑法上の詐欺罪にあたる可能性がある。懲役刑以外はないので、法定刑は10年以下の懲役になる」


■代表「利用できるよう調整する時間を優先」

 檀家が支払ったお金は返ってくるのでしょうか。

 三平弁護士:「この宗教法人が、どれだけの財産を他に持っているかに関わるが、もし他に財産が何もないことになれば、ほぼ返ってこないということになる」

 宗教法人の代表はANNの取材に対し、こうコメントしています。

 宗教法人の代表:「まずは引き続き、納骨堂を利用できるよう、調整する時間を優先させてほしい。時間ができ次第、取材には応じる」

 引き渡し期限まで残り13日。亡き人が再び安らげる日はくるのでしょうか。

(「グッド!モーニング」2022年10月14日放送分より)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000271831.html

HTB曰く、

納骨堂が経営悪化で突然閉鎖 「一度も黒字のことがなかった…」渦中の宗教法人代表を直撃 言い分は?
10/14(金) 18:37配信


HTB北海道ニュース

 近年、大都市を中心に増えている屋内型の納骨堂ですが、札幌市東区の施設が経営悪化で突然閉鎖されることになり混乱が広がっています。内部で何が起きているのか。運営する代表を直撃しました。

 本吉智彦記者:「建物は窓も大きくとられ、日差しが明るく降り注いでいます」。

 騒動の渦中にある札幌市東区の納骨堂「御霊堂・元町」に、HTBのカメラが入りました。施設内は閉鎖直前の状態と思えないほどきれいに整っていました。

 10年前にオープンしたこの納骨堂。檀家の数はおよそ1700人に上るといいますが…。

 納骨堂を運営する宗教法人「白鳳寺」は、別の葬儀会社から借りていたおよそ2億7000万円を返済できないことから、去年11月に納骨堂が差し押さえとなりました。さらに今年7月に競売にかけられ、札幌の不動産管理会社が落札。今月27日を期限に、裁判所から建物を引き渡すよう求められています。

 なぜこんな事態に陥ったのか。取材に応じた「白鳳寺」の代表は…。

 白鳳寺の代表:「スタート時点からいろいろ問題がありました。予想していたよりもお金がなかった。思った通り、明らかに売れなかった。一度もお恥ずかしい話、黒字のことがなかった」。

 突然の知らせに檀家は戸惑いを隠せません。

 檀家の女性:「こういうことがあって、まさかね、こういうことになると思っていないし。お父さんは納骨堂がいいって言ったわけ」。

 建物の引き渡し期限まで残り13日。白鳳寺の代表は、この間際になっても納骨堂の運営を続けられる可能性がまだ残っていると言います。

 白鳳寺の代表:「こちらに納骨していただいて、檀家さんが安心してお参りをしていただけるような方に継承したいなと。(Q.可能性はあるんですか?)可能性はあると思います。話が詰まって書類の確認もしているので、悪い反応ではないと信じています」。
https://news.yahoo.co.jp/articles/60e349b9ba7bd0983e490eedc47f869b9eb7c97f

「一方、競売で落札した札幌の不動産会社はHTBの取材に対し、「救ってあげたいが行政手続き上、継承を断念せざるを得ない」とコメントしています」*1
「御霊堂・元町(宗教法人白鳳寺)」のサイトを見ても、「経営破綻」の危機感は全く感じることができない*2
「永代供養」を謳っていたわけだけど、この「永代」はあまりに短かった。サイトでも強調されていたけれど、こういう〈墓〉を買う人には子孫のいない人、或いは身内のいない〈おひとりさま〉も少なくない筈。そういう人の場合は、「 遺骨を持って帰ってくれ」と言われても、既に持ち帰る人がいない。どうすればいいのか?
さて、「御霊堂・元町」=「宗教法人白鳳寺」なのか、それとも「 御霊堂・元町」は「白鳳寺」の一部にすぎないのか、ということがわからない。そもそも「白鳳寺」の「宗教法人」としての来歴がわからないのだ。サイトを見てもわからない。まあ「寺」とか「檀家」とか言っているので、仏教系であることはたしかなのだろうけど、真言系なのか、浄土系なのか、禅系なのか、法華系なのか。「御霊堂」の「御霊」はゴリョウではなく「みたま」と念むらしいけれど、これって神道っぽくないか? また、「御霊堂」以前の「白鳳寺」の活動は? 
ところで、「御霊堂」を「落札した」不動産屋はこの建物を何に再利用するつもりなのか?

*1:HTB「札幌の納骨堂経営破綻 落札した会社「継承を断念せざるをえない」」https://www.htb.co.jp/news/archives_17736.html

*2:https://mitamadou.com/