或るパッション

承前*1

「失踪したウガンダ選手が帰国直後に拘束され、警察に連行 事実上の「独裁国家」で安否を危惧」https://news.yahoo.co.jp/articles/66cd7021c0f7e414a0212c631a663fde5177762c


この記事の後半では、ウガンダのアスリートに対する公的支援が殆どなく、みな困窮を余儀なくされていることが語られている。今回日本で「失踪」したジュリアス・セチトレコ選手も例外ではない。


セチトレコ選手も、2018年に豪州で開催されたコモンウェルス・ゲームズでは56kg級の重量挙げで10位に入るなど、数々の大会で入賞し、メダルを獲得してきた。だが、そうした功績も彼の収入増加にはつながらなかった。母親によれば、セチトレコ選手は重量挙げに適した肉体をつくるサプリメントの購入のためにいつも借金をしていたという。

母親自身も息子が練習で負ったケガの治療費を出したり、食事を差し入れたりするためにひんぱんに金を借りていた。母は息子にスポーツをあきらめるよう、諭していたという。

また、第一子を妊娠中のセチトレコ選手の妻は、夫の日本滞在中に家賃数ヵ月分に当たる60万ウガンダシリング(約1万8500円)を滞納したという理由で、家を追い出された。妻が米放送局「VOA」に語ったところによれば、セチトレコ選手は食事も充分にとれず、床で寝るような生活を送っていた。五輪出場にかけていたが、その夢がついえたときには、自殺したいと漏らしていたという。

それにしても、このスポーツへのパッションは凄い。大学院を出ても碌なポストがない日本の人文系の学者の学問へのパッションに比肩するのでは?