尖った言葉

張競*1「平山亜左子編著 山田参助絵・漫画『戦前尖端語辞典』『毎日新聞』2021年6月19日


曰く、


「尖端語」とは流行語という意味で、かつて社会語、新聞語、モダン語とも呼ばれていたという。そうした言葉は新しいがゆえに、時間が経つにつれ、廃れてしまうか、手垢まみれになってしまった。ただ、言語の有為転変には時代の移り変わりがくっきりと映し出されており、萎れた言の葉から世相や風俗を知り、人々の精神のあり方に思いを馳せることができる。このことが独特の内容構成で示されている。
書名には「戦前」とあるが、引用されたのは大正八年から昭和十五年にかけて発行された新語・流行語辞典にある単語と語釈である。それに編者による簡潔な解説と軽妙な漫画が添えられ、ところどころ、同時代の漫画、図案や、イラストも引かれている。「エッチ」が「夫」、「ギロチン」が「意地の悪い先生」には驚かされ、「オブザー婆ア」という言語表記と「ナオミズム」の漫画には爆笑させられた。
husbandだから、「エッチ」=「夫」になるわけですよね? それと、「ナオミズム」の「ナオミ」ってやはり谷崎潤一郎の『痴人の愛*2の「ナオミ」?