なおちゃん「パンの骨格「グルテン」とは何か?その原理を詳しく解説」https://paopao-bakefirst.hateblo.jp/entry/2021/05/14/074318
「グルテン」について、特にパン作り(baking)におけるその役割を詳しく解説している。
ところで、「グルテン」というとあまりいい話は聞かない。パンやケーキを作るのには欠かせない成分なのに、「グルテン」て何だか有害な成分なんじゃないの? と思ってしまうこともあるのでは? 近所のスーパーでも「グルテンフリー」を謳った食べ物が売られるようになっている。
ケンミン食品株式会社「グルテンフリーとは」https://www.kenmin.co.jp/be-fun-labo/be-fun-labo06
曰く、
この「セリアック病」*1の罹患率というのは日本社会では不明で、西洋社会では1%程度だといわれる。最近の「グルテンフリー」のブレイクは「セリアック病」だけでは説明がつかない*2。
グルテンフリーは、セリアック病患者の食事として生まれた食事療法です。
セリアック病とは、遺伝性の自己免疫疾患で「グルテン」に異常反応を示し、自己免疫系が小腸の組織を攻撃することで炎症が起き、小腸の細胞が破壊されてしまう病気です。その結果、栄養素の吸収が低下したり、腹痛や下痢、倦怠感など、さまざまな症状がでます。
そして今ではセリアック病でなくても、自分の体に合った食生活にこだわる人たちにも取り入れられています。
大谷翔平*3を巡る最近の記事;
「グルテンフリー」はもう完全に「セリアック病」からは独立している。「鰯の頭も信心から」、つまり「グルテンフリー」信仰なのだけど、その信仰はポジティヴなものではない。寧ろ「グルテン」嫌悪の側面が重要だと思う。では、何故それほどまで「グルテン」は嫌われるのか?
大谷翔平、躍進の理由は「グルテンフリー」 好物のオムレツも封印
5/18(火) 10:56配信
デイリー新潮
「今季は、下半身が目に見えて大きくなり、プレーに力強さが増しました」と語るのは、日本ハム時代から大谷翔平(26)を取材するスポーツライターの小谷真弥氏。なるほど今季の大谷は、投げては渡米後最速タイの163キロ、打っては自己最速の打球速度193キロをマーク。そんな彼は、今季から“食事”を変えたのだという。
***
「大谷選手は昨オフ、自分に合っている食材、合ってない食材がわかる血液検査を受けました」
と明かす小谷氏によると、
「その結果、卵が合ってないことが判明し、毎朝自ら料理して食べていたオムレツをやめたのだそうです」
フライパンで器用にひっくり返すなど腕前を上げていたのだとか。その“プレー”ぶりがお蔵入りになったのはちょっぴり残念だが、それはともかく、
「“グルテンも、基本的に今は摂っていないです”とのことでした」(同)
たんぱく質の一種であるグルテンを摂取しない、いわゆる“グルテンフリー食”とは、本来はグルテンに過剰に反応してしまうセリアック病患者向けの食事療法だった。だが欧米では今、有名テニス選手のノバク・ジョコビッチらアスリートから一般人まで健康法として普及しつつある。
エビデンスは…
管理栄養士で公認スポーツ栄養士の橋本玲子氏曰く、「欧米のアスリートを対象にしたある研究では、41%のアスリートがグルテンフリーを実践し、うち81%が効果を感じていると回答しています」
こう聞くと、まるで“魔法の食事”ではないか。私も今すぐ始めよう――というのは早計なのでご用心。
「欧米は、小麦や大麦などグルテンを多く含む食材がエネルギー源、つまり主食です。一方、日本はグルテンを含まないコメが主食で、グルテンを含む食材は醤油など限られています」(同)
いわば、日本は元々“グルテンフリー”なのである。事実、欧米と比べセリアック病患者も少ない。しかも、
「グルテンフリーを極端に行うと、エネルギー不足に陥るだけでなく、ビタミンD、ビタミンB12、葉酸、鉄、亜鉛、マグネシウム、カルシウムの摂取量が不足するとの報告もある。ベジタリアンも同様ですが、食べ物を制限するということは、何らかの栄養素の不足に繋がります。とにかく減らせばいいというわけではないのです」(同)
過ぎたるは猶及ばざるが如し。話を大谷に戻そう。
小谷氏によると、大谷は試合前後に球団が用意したビュッフェ形式の食事を摂っているのだとか。また、比較的機会は少ないが、チームメイトと共にレストランでステーキを食べたりしているという。ならば、グルテンフリーも効果あり? と思ったら、残念ながら、
「グルテンフリーがアスリートのパフォーマンスに影響を及ぼす、というエビデンスはありません」(同)
8割のアスリートが効果を感じているというのも、
「グルテンうんぬんでなく、食事に自然と気を遣うようになるからでは」(同)
要するに、鰯の頭も信心から、ということか。
「週刊新潮」2021年5月6日・13日号 掲載
https://news.yahoo.co.jp/articles/79a97b35e41ee9e7f4997ba1aa3cc0e1aadb4c85
*1:See eg. 「セリアック病(グルテン過敏症)」https://medley.life/diseases/55c80afefe74a80f292b741f/ https://en.wikipedia.org/wiki/Coeliac_disease https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%AF%E7%97%85
*2:勿論、小麦アレルギーの人にも「グルテンフリー」は必要である。
*3:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180524/1527139574