「文を終わらせるべき」もの

承前*1

今年のオスカーを巡って。

Alanna Vagianos “A Documentary About Periods Won An Oscar And Twitter Freaking Loved It” https://www.huffpost.com/entry/period-menstruation-documentary-oscar_n_5c7401c4e4b03cfdaa584bfa


短篇ドキュメンタリー賞を受賞したRayka Zehtabchi監督の“Period. End Of Sentence” 。
印度のデリー近郊の或る村における月経のタブーを描く。村に生理用ナプキン製造機械が設置されると、情況はみるみる変わっていく。
ところで、プロデューサーのMelissa Bertonの言葉“A period should end a sentence, not a girl’s education.”だけど、この記事の日本語版「「生理は、教育を妨げるものではいけない」生理の映画にアカデミー賞、受賞スピーチが喝采を浴びる」*2では、「生理は生理。女の子たちの教育を妨げるものであってはならない」と訳されている。この表現はperiodが言語学用語で「終止符」という意味と「月経」という意味を併せもつことを利用した言い回しだよね*3。この訳だと、そういう言葉遊びの雰囲気は全然伝わってこない。「ピリオドは女の子の教育ではなく文を終わらせるべきものだ」。また、sentenceには判決、さらには(判決によって指示される)刑罰という意味もある。End Of Sentenceには刑罰のように理不尽な扱いの終わりという意味合いもあるか。
因みに、月経(生理)に纏わるタブーや迷信については、例えば、


「Taboos and male points of view」https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160816/1471368314
「場違いの力」https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20171009/1507571732
「痔は?」https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20171016/1508167870


で言及している。
See also


中村かさね「女が○○するのはクレイジー? ナイキCMが描く女性アスリートたちの道のりがカッコいい」https://www.huffingtonpost.jp/entry/nikecm-oscars_jp_5c736662e4b00eed08361b50
https://news.nike.com/featured_video/dream-crazier