「大根役者」と「桜」

水原紫苑『[改訂]桜は本当に美しいのか 欲望が生んだ文化装置』*1の2013年12月に書かれた「あとがき」に曰く、


折しも、「歴史は繰り返すが、一度目は悲劇、二度目は茶番である」というマルクスのあまりにも有名な言葉を忠実に実行したいらしく、大根役者たちが下手な見得を切ろうとしている。とんでもない花吹雪の幕切れになる前に、舞台から引きずりおろさなければならない。(p.277)
また、2016年12月付の「平凡社ライブラリー版あとがき」に曰く、

新書を無我夢中で書いてから三年経った。
全世界で茶番が始まった。舞台から引きずりおろしたいと願った大根役者たちは、裸の王様となって、化粧もしない無様な素顔で観客を舐めきった振る舞いだ。しかし、絶望はしない。息を整えて立とう。(p.278)
ここで謂う「大根役者」のひとりは2019年4月に「桜を見る会」事件*2を引き起こしていたのだった。しかし、それは「花吹雪の幕切れ」にはならなかった。また、その「大根役者」に演技を付けたこともあるCMディレクターのスキャンダルが発覚したのだが、それについては別エントリーにて。