「検証作業が終わったとは全く考えていない」(神奈川県知事)

NHKの報道;


相模原 障害者施設19人殺害事件 障害者団体など県に検証を要望
2020年6月30日 19時14分


相模原市の障害者施設で入所していた19人が殺害された事件について、元職員が施設内で差別的な動機を募らせた背景を明らかにしてほしいと、障害者団体などが神奈川県に検証を要望しました。

平成28年7月に相模原市にある知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた事件*1では、入所していた19歳から70歳の男女19人が元職員の植松聖死刑囚に殺害されました。

県の第三者委員会の検証では、施設内でほかにも虐待と疑われる身体拘束などがあったと指摘されていて、県はほかの施設も含めて支援状況を調べるため来月にも新たに部会を立ち上げる方針です。

これを前に30日、障害のある人や支援者でつくる6つの団体の代表が、黒岩知事と面会し、要望書を提出しました。

要望書では「裁判では植松死刑囚の障害者に対する『ゆがんだ考え』の背景や要因は明らかにならなかったが、施設での勤務経験が考え方の基礎になったと指摘されている」として、施設での入所者支援の在り方が背景となったのか、徹底した検証を求めています。

黒岩知事は「津久井やまゆり園の検証作業が終わったとは全く考えていない。検証を通じ利用者目線の新しい障害者福祉の在り方を作っていきたい」と話していました。

県は新たな部会で、職員への聞き取りなどを行い詳細を調べていくとしています。


「なぜ…」手書きの要望も
要望を行った障害のある当事者でつくる「DPI日本会議*2の、崔栄繁さんは「裁判が終わって事件が徐々に風化していく中で、あの施設で何があったのかしっかり検証することが、第2の事件を生まないことにつながる」と話していました。

また、横浜市内で知的障害のある人たちが働く、パン屋を運営するNPO法人「ぷかぷか」*3の利用者が提出した手書きの要望書には、「なぜやまゆり園は職員だった人が殺してしまったのか。ぷかぷかのスタッフはみんなとても仲が良いです。やまゆり園とぷかぷかと何が違うのか調べてほしいです」とつづられています。

提出したひとり天野保隆さん(40)は「二度と事件が起こらないことを祈ります」と語っていました。

障害のある人の福祉作業所でつくる「きょうされん神奈川支部*4の海原泰江副支部長は「第三者委員会で指摘された虐待が疑われる行為を、なぜ職員が行ったのか分かっていない。障害のある人たちに関わる自分たちの中にも、差別意識が全くないとは言わないが次元が違う。何が事件につながったのか、背景を知りたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200630/k10012489811000.html

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DPI日本会議津久井やまゆり園の検証作業を求め、神奈川県の黒岩知事に要望書をお渡ししました」http://dpi-japan.org/blog/workinggroup/community/%e6%b4%a5%e4%b9%85%e4%ba%95%e3%82%84%e3%81%be%e3%82%86%e3%82%8a%e5%9c%92%e3%81%ae%e6%a4%9c%e8%a8%bc%e4%bd%9c%e6%a5%ad%e3%82%92%e6%b1%82%e3%82%81%e3%80%81%e7%a5%9e%e5%a5%88%e5%b7%9d%e7%9c%8c%e3%81%ae/
Sae Uozumi「昨日の6月30日 ぷかぷかメンバーさん3人が神奈川県庁まで黒岩県知事に会いに行ってきました。」https://www.pukapuka.or.jp/2020/07/01/5481/