承前*1
『朝日新聞』の記事;
maiden nameは女性しか使えない。男性はどうするの? virginはジェンダー・フリーで、処女にも童貞にも使えるけれど*2。但し、virgin nameという英語表現は見たことがない。或いは、家族社会学では個人が生きる家族を、family of orientation(定位家族)とfamily of procreation(生殖家族)に分ける。前者は個人が子どもとして生まれた家族、後者は結婚によって自ら作る家族。このアナロジーでいけば、family name of orientationで「旧姓」を表せるかも知れない。
パスポートの旧姓表記、トラブルの元? 外相「改める」
楢崎貴司2020年2月4日 18時59分
茂木敏充外相は4日の衆院予算委員会で、パスポートに旧姓を併記する場合に、丸かっこで旧姓が囲まれている現在の表記を改め、旧姓だと分かる文言を書きくわえる方針を明らかにした。立憲民主党の大河原雅子氏の質問への答弁。
パスポートへの別名併記は、二重国籍や国際結婚のほか、海外での仕事で旧姓を使う場合などに例外的に認められている。外務省によると、かっこ書きによる別名併記は日本独自の仕組み。
ただ、旧姓の併記を説明する文言がないため、外国に入国する際に説明を求められたり、トラブルになったりするケースもある。背景には日本のパスポートが戸籍上の氏名を表記することになっていることや、世界では珍しい夫婦同姓が法律で義務づけられていることがある。
茂木氏は、丸かっこで囲まれただけの現在の表記を「見ただけでは旧姓だと分からない」とし、「maiden name(旧姓)などと書くことではっきりと分かるような形を取っていきたい」と説明。その後の会見で今年後半以降に実施したい意向を示した。同省は旧姓以外の別名併記についても何らかの分かりやすい表記を検討している。
一方、旧姓併記の場合は旧姓で発表した海外の論文や、旧姓で仕事をしていることを示す証明書などの書面が必要だ。茂木氏は「戸籍謄本などの確認のみで旧姓使用が可能になるように検討中」とも述べた。(楢崎貴司)
https://www.asahi.com/articles/ASN2465H4N24UTFK00H.html
でも、夫婦別姓を導入すれば、問題それ自体が消失してしまうのだ。また、問題が丸ごとなくなることによって、かなりの国家予算が浮くことになる。
2つのツィート。Mayumi Morinagaさんと亀井伸孝氏*3;
え、まって、旧姓の英語表記が「maiden name」ってどういうこと……我が家は夫が苗字を変えているんだけど、男性の旧姓までmaidenになるってこと?
— こへだ[Mayumi Morinaga] (@koeda) 2020年2月5日
そんなバカなwwwwwww
birth nameとかにしてよ……
名字変えるのは女性という前提に立ちすぎでしょう。https://t.co/YKniN6F2RY
・両姓併用者にとっては、無用な注記によって姓の間の余計な格付けが生じ、名乗りの自由、自己決定権が奪われる
— KAMEI Nobutaka (@jinrui_nikki) 2020年2月5日
・Maiden name は男性を無視し、かつ将来にわたって女性に改姓する側としての役割を固定する
の2点から、愚策であると認定。
まさに、余計なことをするな、です
https://t.co/EE9WBB83FJ
*1:https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160101/1451673079
*2:maidenには競馬用語で未勝利馬という意味がある。これは雌雄問わず?
*3:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/12/26/091951 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/01/29/092611