「国際経済学者・浦野正次」

フジテレビの報道;


大学教授のインタビュー記事はねつ造 JR東の広報誌
7/30(火) 0:27配信 Fuji News Network



JR東日本は、広報誌に掲載された、大学教授のインタビュー記事がねつ造されたものだったと発表した。

記事のねつ造が発覚したのは、JR東日本の新幹線の座席などに置いてある広報誌「JR EAST」。

この広報誌の6月号に掲載されたインタビュー記事の「国際経済学者・浦野正次」という人物は実在せず、内容は、6年前に掲載された、早稲田大学大学院の浦田秀次郎教授のインタビュー記事を無断で改変したものだったという。

予定されていた記事が締め切り直前に掲載できなくなり、外部委託先の担当者が穴埋めのため記事をねつ造していた。

今回の不正を受け、JR東日本は、広報誌「JR EAST」の休刊を決めた。

(フジテレビ)
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20190730-00421606-fnn-soci

また、

JR東、記事捏造で広報誌休刊 架空人物にインタビュー
細沢礼輝 2019年7月29日18時06分



 JR東日本が発行している社外向けの広報誌「JR EAST」6月号に、捏造(ねつぞう)した架空の「教授」へのインタビュー記事が掲載されていた。JR東が29日発表した。同誌の発刊はJR東が発足した1987年4月にさかのぼるが、最新の7月号を最後に休刊するとしている。

 JR東によると、捏造があったのは、「インフラの海外展開」をテーマに「国際経済学者 浦野正次」に聞いたとするインタビュー記事。一問一答形式で5ページにわたって掲載されていたが、実際には同誌の2013年3月号に掲載された浦田秀次郎・早稲田大大学院教授のインタビュー記事「インフラ輸出の条件」を一部改編して再掲していた。「浦野正次」は架空の人物で、顔写真は浦田教授本人の写真を加工したものだったという。

 同誌はJR東の広報部長名で発行されているが、実際の編集作業は東京都内の編集業者に委託していた。JR東によると、浦田教授へのインタビューが実現しなかったため、担当者が締め切りに間に合わせるために過去の記事を改編したという。同誌は過去にインタビューを受けた人に無料で配られており、捏造については浦田教授本人から指摘があったという。

 同誌の発行部数は2万4千部。一般書店では扱っておらず、官公庁や自治体に無料配布されているほか、東北新幹線などの「グランクラス」に置かれている。JR東の照井英之広報部長は「不正によって、読者のみなさまの信頼を失墜させたことをおわびします」と話した。(細沢礼輝)
https://www.asahi.com/articles/ASM7Y516ZM7YUTIL01H.html

結局本人に見破られちゃったわけだ。いちばん驚いたのは、6年前の記事をそのまま使って、(本人以外は)誰も怪しまなかったということだ。盗用しながら一応アップデイトの努力はしたのだろうか。6年間で国際政治も国際経済もかなり変化している筈じゃないですか。遺憾ながら安倍晋三習近平は変わらないけれど、これまた遺憾ながら米国の大統領はオバマからトランプに代わっているとか。或いは、どんな学問分野だって、6年経てば、相当数の研究論文や研究書が刊行されていて、非専門家向けのインタヴュー記事とはいえ、そういう学会内での進展というのが反映されてしかるべきなのではないか。まさか、「国際経済学」というディシプリンでは、6年間、重要な理論的進展や実証的研究というのは全くなかった筈はないだろう。そうすると、学問分野の状況というよりも、新幹線の「グランクラス」に乗るような人たちの教養の程度に関係していると考えていいのだろうか。
「締め切りに間に合わせるため」の苦肉の策ということだけど、編集者たちは1970年代の『ロッキング・オン』のことは知らなかったのだろうか*1。或いは、弘法大師空海の『三教指帰』以来の日本文学の伝統。最近だと、〈幸福の科学メソッド〉というのもあるか。
三教指帰 (岩波文庫)

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