「おいTBS! 「こうのもろ なお」って誰だよ!!」https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2019/03/27/085839
「ドンキホーテ」を「ドン・キホーテ」と区切るか「ドンキ・ホーテ」と区切るかは、その人の教養を示す指標になり得るんじゃないかと思ったことがあった*1。「高師直」をこうの・もろなおと区切るか、それともこうのもろ・なおと区切るのかも似たような指標になるのかも知れない。でも、「師」という字を「もろ」と念めただけでも褒めてあげるべきだろうと思った。ところで、上掲のエントリーでは「高諸直」になっているのだけど、これは単純な変換ミスですよね。最近は、こう表記するのが一般的になっているのかと思っちゃった。
高師直があまり知られなくなったのは、もしかしてドラマの近代と関係があるのかも知れない。江戸時代、江戸時代の事件をそのままドラマ化して上演することはできなかった。そこで、鎌倉時代や室町時代の話ということにされた。『仮名手本忠臣蔵』*2は南北朝時代の話となって、その悪役が「高師直」だった。明治以降は、江戸時代の事件を中世の話として上演するということが前近代的な振る舞いとして憚られるようになり*3、赤穂浪士の物語(『忠臣蔵』 )の主要な登場人物は史実に沿って、大石内蔵助、浅野内匠頭、吉良上野介ということになり、大星由良助とか塩谷判官とともに、「高師直」の知名度も(実在人物であるにも拘らず)低下してしまったのではないだろうか。因みに、「高師直」が『忠臣蔵』に引っ張り出されたのは吉良上野介が高家筆頭だったことと関係あるだろう。
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でも、まあこの「こうのもろ なお」も「いちにちじゅうやまみち」には及ばないな*4。