「独占」と「自立」

承前*1

ちょっと書き忘れ。
「市場という発明」という熊谷晋一郎氏による松井彰彦『市場って何だろう』という本の書評(『ちくま』569、pp.16-17)から。「障害をもちながら自立するとはどういうことなのか」;


(前略)本書の中でも紹介していただいているが、評者の考えは著者と一致している。すなわち、依存先を独占されない状態こそが自立なのだという考えである。重要な点は、市場を含む社会は健常者に対しては豊富な依存先(健常者にとって使いやすい建物、道具、サービス、制度など)を提供するものの、障害者などの少数派には、限られた依存先しか提供しない傾向にあり、その結果、障害車市場は独占や寡占状態に陥りやすく、その結果、自立が妨げられているということである。(p.17)