機会費用問題

これはTeino's last stand*1の前か。


無敵の人はなんで弱い一般人ばかり殺して、腐敗した政治家や経済人を殺さないの?

無敵なんだろ?

それとも無敵ってのは嘘か?
https://anond.hatelabo.jp/20180615085006

最初の疑問について。エコロジカルな理由でしょう。「無敵の人」の生態圏に「腐敗した政治家や経済人」は棲息していないから。
また、「無敵」について。私たちが悪事を為すに当たっての最大の「敵」は国家権力(警察権力)ではなくて、自らの柵でしょう。こんなことをして、私の家族は、友人は、職は、財産は、或いは自分の名誉はどうなっちゃうんだろう? 「無敵の人」はこの最大の「敵」が存在しない。ブルジョワ経済学の言葉を使えば、機会費用が発生しないということになる。要するに、プロレタリアート。プロというと、○&○の『共産党宣言*2の「プロレタリアは、革命においてくさりのほか失うべきものをもたない。かれらが獲得するものは世界である」という有名な捨て台詞なのだろうけど(p.87)、

(前略)プロレタリアは、自分自身のこれまでの獲得様式を、したがってこれまでの全獲得様式を排しなくては、社会的生産諸力を奪取することはできない。プロレタリアは確保すべき自分のものを何ももたない、かれらが破壊しなければならないものは、これまでのすべての私的安全や私的保障である。(p.54)
という一節も引用しておいたいいだろうか。
勿論、「無敵の人」が「世界」を獲得することはできないだろう。
マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫)

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