共通の知り合い?

承前*1

J-CASTテレビウォッチ』の記事;


新潟市小2女児殺害事件 逮捕された小林容疑者は「大桃珠生さんとよく遊んでいた」
2018/5/15 10:54


新潟市西区の小学2年生、大桃珠生さん(7つ)が殺害された事件で、きのう14日(2018年5月)、近くに住む会社員・小林遼(はるか)容疑者(23)が死体遺棄と損壊の容疑で逮捕された。小林容疑者は「首を絞めた」など殺害をほのめかす供述をしているという。

大桃珠生さんの自宅からわずか100メートルの距離に住んでいた小林容疑者。珠生さんとは面識があったのか?

こういう事件は自宅のすぐ近くで起こることが多い

小林容疑者は「面識はない」と話しているというが、高校時代の同級生は「家が近くて、小さいころからよく遊んでいたと聞いた」と話している。

近所からは「優しいし、礼儀正しい」「回覧板持ってきてくれるなど、感じのいい子」と評判だった小林容疑者。

中学時代の同級生は「本当におとなしくて静かだった。問題を起こす感じではなかった」と驚きを隠さない。そして、当時を振り返り、「保育園に職業体験で行ったとき、ちっちゃい子からもすごく好かれていた。子どもが嫌いではないのかな(と思った)」と話した。

羽鳥慎一「連行される途中に笑うような素振りを見せて、気味が悪いところもありましたが、ぱっと見普通で仕事もしています」

菅野朋子(弁護士)「こういう事件は、どうやって防止すればいいのか本当に難しい。登下校は途中までは見守りなどあるけど、その後はひとりになる。家のすぐ近くでよく起こる」

青木理(ジャーナリスト)「僕はこの辺に住んでいたことがあるのですが、住宅街で人里離れた寂しいところではないんです。近所の人がやろうと思ったら防ぎようがない」

ピノコ | 似顔絵 池田マコト
https://www.j-cast.com/tv/2018/05/15328641.html

『モーニングショー』の要約みたいだけど。理屈から言えば、100mしか離れていないご近所同士なので、「面識」があったというのは大いにあり得ることだ。でも、これを読む限りでは、信じられない。というか、証人が悪すぎる。小林の「高校時代の同級生」だよ。彼が小林から「聞いた」という子どもが「珠生さん」のことだとどうしてわかるの? 勿論、現時点では、珠生さんは不幸にも〈有名人〉になってしまったので、誰でもが彼女のことを知っている。しかし、事件前は無名の子どもにすぎなかったわけだ。何が言いたいのかといえば、この「高校の同級生」が小林と「珠生さん」の共通の知り合いであることが確証されない限り、彼には小林と「珠生さん」との関係を語る資格はないわけだ。まあご近所とか親戚でもないのに、無名の女の子のことを知っている可能性は著しく小さいと思うのだけど。小林と「珠生さん」のどちらも知っている筈の、例えば小林の隣の家の人の証言だったら、信じていたかも知れない。
J-CASTニュース』の記事;

フィフィ、新潟女児殺害「アニメ好き」報道に違和感 「偏見を生むだけ」
5/16(水) 15:32配信 J-CASTニュース



 新潟市の小2女児殺害・遺棄事件で、死体遺棄などの疑いで逮捕された会社員・小林遼(はるか)容疑者(23)の趣味がアニメやゲームであることを強調する報道に、ツイッターなどで疑問の声が上がっている。

 タレントのフィフィさん*2は、ツイッターで「アニメ好きに対する偏見を生むだけ」と持論を展開した。


■「アニメ好きの友達と仲良し」「世間一般でいうオタク」

 テレビ各局の報道で、小林容疑者の趣味がアニメやゲームであることを裏付ける証言が出ている。

 NHK(ウェブ版)は2018年5月15日付記事で、捜査の状況や任意同行までの経緯を報じた上で、小林容疑者の高校時代の同級生と名乗る男性のコメントを掲載。「当時はアニメが好きな友達と仲がよかった印象で、授業中にちゃかすなど幼いところがあった」と話した、とした。

 フジテレビ系の情報番組「とくダネ!」の15日放送でも、高校時代の同級生にインタビュー取材。ナレーションで「小林容疑者が特に時間を割いていた」と前置きした上で、次のような同級生の証言を紹介した。

  「ゲームとかやっていた記憶がありますね。『北斗の拳』みたいにゴリゴリの...という感じでなくて、女の子が...みたいな。言葉にするならば『ロリコン』というのが分かりやすいかも」

 その上で「どういう印象の人?」と質問すると、同級生は「世間一般でいう個性的、分かりやすく言うとオタク。そんな感じかな」と話した。

 また、日本テレビ系の情報番組「NEWS ZERO」の15日放送でも、中学時代の同級生による「アニメ好きだった」との証言を紹介。ただ具体的な説明はなく、画面右上のテロップで「『アニメ好き』の一面も」と記述。同級生は「びっくりしました。全然イメージない」と語り、容疑者は科学技術部に所属していたとして「表彰されたりしていた」と述べていた。


「『容疑者は白米を食べます』というのと何か違うのか」
 こうして小林容疑者の趣味がアニメ、ゲームなどだと報道されるものの、それが今回の事件と関係しているのかは不明だ。そのためツイッターなどインターネット上では、アニメ好きなどを強調する報道は控えるべきでないかとの声も多い。

 タレントのフィフィさんは15日深夜、ツイッターで「NEWS ZERO」の画面を撮影したとみられる写真を公開。その上で、


  「新潟女児殺害事件で、容疑者の人格について『アニメ好き』を強調する報道ってどうなの?アニメ好きに対する偏見を生むだけだと思うんだけど」
と持論を述べた。

 通信社「JX通信社」の米重克洋社長も15日、ツイッターで「新潟の事件『容疑者はアニメ好き』だと。それは『容疑者は白米を食べます』というのと何か違うのだろうか」と疑問視。

 人気YouTuberのKAZUYAさんも16日、「事件が起きると『犯人はアニメ好きだった』と結びつけるかのようにマスコミが報道する。アニメでの描写を模倣した犯行なら関連性を指摘できるだろうけど、新潟の事件ってそういうのあったのか?」とツイッターに投稿した。

 「犯罪とアニメ好きを結びつけるのやめろ」「これってアニメ好き関係ないよね」「アニメ好きは殺人犯人になりやすい傾向でもあるんですかね?」など、ツイッター上には同様の意見が多数寄せられている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180516-00000010-jct-ent&pos=5

「偏見を生む」というよりも、漠然としすぎているというべきだろう。「アニメ」といっても色々とありすぎるよ。「アニメ好き」というだけで変な奴と思われるということは、あの宮崎勤が活躍していた頃ならいざ知らず、平成も終わらんとしている現在においてはまずないだろう。だから、「容疑者は白米を食べます」と同程度の情報価値しかないというのは肯けることだ。インタヴュアはプロービングが足りない。まあ、「アニメ」と「ゲーム」を特権化するというのは、要するに、小林は「オタク」ということで目出度くストーリーを完結させたいという欲望なのだろう。でも、所謂「オタク」を極限概念として考えてみると、極限的な「オタク」が生身の人間を殺すというのは殆どあり得ないことだ。〈二次元〉に没入して、三次元の現実との接触は必要最低限度にまで切り詰められているからだ。「オタク」というのはキモいけれど無害な人間ということになり、「オタク」で小林の犯行を説明することは難しくなると思うのだけど、如何だろうか。