こちらも「初公判」

Hagex殺しだけでなく*1新潟市の小学2年生殺人事件*2も「初公判」。
時事通信の記事;


小2女児殺害、殺意を否認 検察側「人命軽視甚だしい」―25歳男初公判・新潟地裁
2019年11月08日20時02分


 新潟市西区で昨年5月、小学2年の女児=当時(7)=を殺害し、遺体を線路に遺棄したとして、殺人などの罪に問われた小林遼被告(25)の裁判員裁判の初公判が8日、新潟地裁(山崎威裁判長)であった。小林被告は「首を絞めたのは間違いないが、殺意はありませんでした」と起訴内容を一部否認した。
 冒頭陳述で検察側は、小林被告が事件当日、わいせつ行為をするため車を走行させながら下校途中の小学生を物色したと指摘。1人で歩いていた女児にわざと背後から衝突して転倒させ、後部座席に連れ込んだ上で首を絞めて気絶させたとした。
 その後、移動先の駐車場でわいせつ行為をし、泣きだした女児の首を5分以上絞めて殺害。発覚を防ぐために遺体を電車にひかせたとして、「人命軽視の態度が甚だしい」と非難した。
 弁護側は、殺人罪ではなく傷害致死罪にとどまると主張。強制わいせつ致死罪も成立しないと訴えた。
 起訴状によると、小林被告は昨年5月7日、新潟市西区の路上で女児に車を衝突させて連れ去り、駐車場に止めた車の中でわいせつな行為をし、首を手で圧迫し殺害。その後、遺体を線路上に放置し、電車にひかせたとされる。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019110800961&g=soc


 泣く女児の首、2度絞める 弁護側は計画性否定―新潟小2殺害、冒頭陳述
2019年11月08日18時53分


 新潟女児殺害事件の初公判で、検察側は小林遼被告(25)が女児の首を2度にわたって絞め、発覚を防ごうと隠蔽(いんぺい)工作を繰り返していたことを明らかにした。一方、弁護側は殺意や計画性はなかったと訴え、争う構えを見せた。
 検察側の冒頭陳述によると、衝突されて車内に連れ込まれた女児は「頭が痛い」「お母さんに連絡したい」と泣いたが、被告は黙らせるため首を絞めて気絶させた。意識を取り戻して大声で泣き始めると、再び首を5分以上絞めて殺害したという。
 当日の朝、無断欠勤した被告はスマートフォンの位置情報が記録されないよう操作。色の違うズボンを重ねてはき、検察側は目撃された場合に備えつつ、小学生を物色していたと指摘した。
 殺害後はスマホで「死体処理」やJRの時刻表を検索し、遺体を線路上に放置。帰宅後は車を洗浄したほか、スマホの情報も消去したとし「被害者を人ではなく物のように扱った」と非難した。
 弁護側は車を女児に衝突させて連れ去り、2度にわたり首を絞めたことや遺体を線路に置いた事実は認めた。一方で、被告に殺意はなく、首を絞めた際にわいせつの意図はなかったと反論。「(被告は)取り返しのつかないことをしたと反省している」と訴えた。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019110801180&g=soc

産経新聞』は「弁護側証人」の「精神科医」の証言を取り上げている(「新潟小2女児殺害 「反省心はない」「死刑でも構わない」と小林被告」*3)。「解離性障害」と「抑鬱障害」であるという。ただ、裁判において重要なのは、現在ではなく過去(犯行の時点)の精神状態だろう。現在の観察から特定の過去を推測しなければいけないところに「精神鑑定」の困難がある(Cf. 中谷陽二『精神鑑定の事件史』)。検察側は「被告が自分に責任能力がないように見せかけるために嘘をついた可能性を指摘した」というが、現在の被告の「解離性障害」と「抑鬱障害」というのは拘禁反応のひとつだと考えるのが合理的なのでは? 逮捕されて以来、保釈されず、ずっと拘束状態が続いているわけだ。
精神鑑定の事件史―犯罪は何を語るか (中公新書)

精神鑑定の事件史―犯罪は何を語るか (中公新書)