不幸の五目ちらし

産経新聞』の記事;

「連続殺人で死刑になるつもりだった」「“すっきり”して自首」 東京・江戸川の女子高生強殺、青木正裕被告が供述
産経新聞 5/16(火) 21:20配信

 平成27年11月、東京都江戸川区の自宅アパートに同区の高校3年、岩瀬加奈さん=当時(17)=を連れ込み、首を絞めて殺害し現金を奪ったなどとして、強盗殺人と強盗強姦未遂の罪に問われた無職、青木正裕被告(31)の裁判員裁判の初公判が16日、東京地裁(島田一裁判長)で開かれた。同日午後には弁護側の被告人質問が行われ、青木被告は「連続殺人をして、死刑になろうと思っていた」などと述べた。

 弁護側の被告人質問に対し、青木被告は「人生で友人は1人しかいなかった。彼はアニメやゲームに相当傾斜していたので気が合った」などと話した。また、中学生時代には同級生から無視される“いじめ”を受けたとした。両親が別居して母親と同居したが、母親からは愛されず、高校卒業後に専門学校に入学後に独り暮らしを始めたという。

 「バイトでは生活費などが足りず、消費者金融から100万円以上の借金があった。高血圧や、それによる心筋梗塞(こうそく)などの病気もあった。自暴自棄になり、自殺か連続殺人をして死刑になろうと考えた」と事件までの経緯を語った。

 岩瀬さんを狙った経緯については、「たまたまバイト先の同僚の中で一番話しやすかったためで、恋愛感情などはなかった。次の事件までの生活費として金品を盗んだ。しかし、事件を起こして“すっきり”したので、(自殺も別事件も起こさず)自首した」などと述べた。

 検察側の被告人質問は17日に行われる。

 検察側の冒頭陳述などによると、青木被告は女性が首を絞められ、乱暴される様子に興奮する性癖があった。生活に困窮するなどして自暴自棄になり、27年11月12日、アルバイト先の同僚だった岩瀬さんに「化粧品サンプルをもらってほしい」と嘘をついて自宅に連れ込み、首を絞めて殺害。乱暴を試みたが失敗した。さらに岩瀬さんの財布から現金7500円を奪ったとされる。青木被告は捜査の手が迫っているのを察し、殺害から2日後の14日、自首した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170516-00000560-san-soci

今拙blogを検索したら、事件発生当時にこの事件について切り抜いておいたということはなかった。
でも、不幸の五目ちらし寿司ですよね。キモオタ、いじめや孤立、親との不和、貧困と借金苦、さらには難病。かつて、人々が新宗教に向かう背景というか動機として貧病争ということが言われていた*1。ここまで不幸を持て余していていながら、宗教さえ声をかけてくれなかったのか。ただ、不幸の五目ちらし寿司よりも悲惨なのは〈無意味な死〉を強制された被害者だとはいえるだろう。
「死んでもいい、死にたいと思っている人」に対しては死刑制度は無力だということについてはhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060429/1146310325を参照されたい。