「無期懲役を求刑」

承前*1

タリウム娘」裁判。検察側の「論告求刑」。
朝日新聞』の記事;


元少女無期懲役を求刑 タリウム事件の裁判員裁判

2017年3月10日14時26分


 名古屋市のアパートで森外茂子(ともこ)さん(当時77)を殺害したほか、高校時代には同級生2人に硫酸タリウムを飲ませるなどしたとして、殺人や殺人未遂など七つの罪に問われた元少女(21)の裁判員裁判の論告求刑公判が10日、名古屋地裁であった。検察側は「2年半の間に6人の被害者に残虐な犯行を繰り返した。生涯にわたって償うことが必要」として無期懲役を求刑した。判決言い渡しは24日の予定。

 検察側の論告などによると、元少女は16歳の高校2年生だった12年5〜7月、中学時代の同級生女性(21)と、高校の同級生男性(21)の飲み物にタリウムを混入して飲ませ、殺害しようとしたほか、19歳の大学1年生だった14年12月には森さんを殺害。また同月には仙台市内の民家に火を付けて住人3人を殺害しようとしたとされる。

 争点の一つは、元少女の刑事責任能力の有無で、検察側は「精神障害の影響は限定的で完全責任能力があった」、弁護側は「発達障害精神障害の躁(そう)状態が重なり、犯行に影響を与えた。責任能力がなく無罪」とそれぞれ主張している。

 また、元少女タリウム事件について「観察目的だった」と供述し、殺意を否認している。
http://www.asahi.com/articles/ASK3967CDK39OIPE020.html

また、

人を殺さない自分になれるのか…タリウム事件の元少女

2017年3月10日21時59分


 名古屋市のアパートで森外茂子(ともこ)さん(当時77)を殺害し、高校時代には同級生2人に硫酸タリウムを飲ませるなどしたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元少女(21)の裁判員裁判の論告求刑公判が10日、名古屋地裁であった。

 検察側は「犯行は計画的で残虐。生涯にわたって罪を償うことが必要だ」と述べ、無期懲役を求刑。弁護側は最終弁論で「死に興味が限局する発達障害や、双極性障害の躁(そう)状態によって行動の抑制力を失っていた」として無罪を訴えた。

 元少女は高校2年生だった2012年5〜7月、中学時代の同級生女性(21)と、高校の同級生男性(21)の飲み物にタリウムを混入して飲ませ、殺害しようとしたとされる。また、名古屋大1年生だった14年12月には森さんを殺害し、6日後に帰省先の仙台市で民家に火を放って住人3人を殺害しようとしたとして起訴された。

 検察側は「元少女は当時、少年法で刑事責任が軽くなる可能性を意識していた」と主張。「殺すつもり?」とすがる森さんを手おので殴ったことや、タリウムで男性に治療困難な視力障害を負わせた結果などを踏まえ、「死刑も考えられる」と指摘。ただし、タリウム事件当時は16歳で、「症状を観察したい」という動機の形成に発達障害が影響した点も考慮し、極刑の求刑は回避した。

 対する弁護側は「各犯行は異常な精神状態で起こされ、被告の自由な意思に基づくものではなかった。検察は障害を矮小(わいしょう)化している」と反論。刑務所への収容ではなく、長期間の専門的治療の必要性を訴えた。

 元少女は最後に証言台でこう述べた。「まだ心から反省し謝罪する段階に至っていないが、自分がやったことの大きさは実感している」「こういう事件は二度と起こしたくない。人を殺さない自分になれるのか不安はあるが、反省や謝罪、償いをいろんな人の力を借りながら、一生かけて考えていきたい」。淡々としたこれまでの供述と異なり、声は少し震えていた。

 判決は24日に言い渡される予定。
(後略)
http://www.asahi.com/articles/ASK3B535GK3BOIPE01M.html

この「求刑」を評価する術をもたない。但し、被告の「刑事責任」を引き受ける権利を否定する弁護側の主張には違和感しか感じないけれど。弁護側のロジックがそのまま適用されると、テロリズムとか戦争犯罪というのは裁けなくなるよ。「各犯行は異常な精神状態で起こされ、被告の自由な意思に基づくものではなかった」。はい、お終い! 
ところで、「タリウム娘」は人を殺したいという衝動を素朴実証主義(笑)によって解決してしまったわけだ。今思ったのだが、そういう衝動はフィクション化することによって解決する途もあるのではないか。素朴実証主義(笑)に対して、こちらの方はシミュレーショニズムというか、とにかく形相化の徹底といえるかも知れない。遊戯=演劇化としてのSMプレイに嵌っていたら、或いは犯罪小説やSM小説の作家を目指していたら、殺人をする必要はなかったのかも知れない。