樺風に9年

承前*1

『ハフィントン・ポスト』(『朝日新聞』)の記事;


2018年03月12日 19時03分 JST | 更新 3時間前
埼玉・朝霞の中1少女監禁、被告に懲役9年の判決 「大切な思春期を過ごす機会失った」
少女に重度の心的外傷後ストレス障害PTSD)を負わせた。



朝霞の少女を2年監禁、被告に懲役9年判決 地裁

 埼玉県朝霞市で2014年、当時中学1年だった少女(17)を誘拐し、2年余り監禁したなどとして、未成年者誘拐や監禁致傷の罪に問われた大学生、寺内樺風(かぶ)被告(25)=東京都中野区=の判決公判が12日、さいたま地裁であった。松原里美裁判長は「被害者は心身とも成長する上で貴重な期間が失われ、大切な思春期を過ごす機会を失った」と述べ、懲役9年(求刑懲役15年)を言い渡した。

 判決によると、寺内被告は14年3月、当時13歳の少女に「(少女の)両親が離婚することになり、その話をしたい」などとうそをつき、朝霞市の少女宅付近で車に乗せて誘拐。16年3月まで千葉市や東京都中野区の自宅アパートで監禁し、少女に重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせた。

 公判では寺内被告の刑事責任能力が争点となった。地裁による精神鑑定では、発達障害の一種である自閉スペクトラム症の傾向があったとされ、弁護側は地裁の鑑定とは別の精神科医の診断をもとに「当時、統合失調症に罹患(りかん)し、責任能力が限定されていた」と訴えていた。

 判決は、少女の家の下調べや名前の確認をしていたことなどを挙げ、発覚後に自殺を図るなど違法性の認識もあったと認定。自閉症の影響は間接的として「完全責任能力を有していた」と判断した。

 寺内被告は16年9月の初公判で、誘拐は認める一方、監禁致傷については「2年間にわたって監視していた意識はない」などと述べ否認。同年11月の被告人質問では、動機を「高校、大学で社会性を培う機会がなく、人の気持ちを理解できなかった。人の気持ちが知りたかった」と説明し、謝罪も口にした。

 だが精神鑑定の後の被告人質問では「何が悪かったんでしょうかね」「被害者が監視してきた」などと発言し、最終意見陳述では「最後に言いたいこと」を聞かれ「おなかがすきました」と答えていた。

 17年8月には一度判決公判が開廷されたが、言い渡し前に寺内被告が別人の名を名乗ったり「私は森の妖精でございます」と不規則発言を繰り返したりし、言い渡しが延期されていた。(笠原真)
https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/12/saima_a_23383163/

記事は、さらに「少女誘拐監禁事件の経緯」(クロニクル)、被害者の両親のコメントが続く。
被害者側としては、判決が軽すぎることが不満であるようだ;

犯人に対しては、公判の最中もまったく反省していない態度や発言の数々、許すことの出来ない気持ちは今も全く変わりません。9年との判決が出ましたが、法廷での言動を見ると、犯人は、全く反省する様子もなく、自分が犯した罪に向き合うことも無いようで、到底9年で反省や更生できるとは思えません。もっと厳しい判決を出して欲しかったと思います。残念でなりません。
よくわからないのは、検察側求刑(15年)からかなり大幅にディスカウントされているのだが、記事からは、それに値する情状酌量の余地が伝わってこない。また、弁護側、検察側双方のコメントを取っていないのはどういうことなのか。この判決だと、双方とも控訴を考えているだろうということは十分に考えられるのに。