ジャングルジム炎上

(当たり前だけれど)色々なことが起こる。
朝日新聞』の記事;


神宮外苑の催しで展示物燃える 5歳男児死亡、2人負傷

2016年11月6日23時27分

 6日午後5時15分ごろ、東京都新宿区霞ケ丘町の明治神宮外苑で開かれていたイベント「東京デザインウィーク」の会場から「木製の工作物が燃えている」と119番通報があった。展示物の木製のジャングルジムが燃え、東京都港区港南4丁目の幼稚園児、佐伯健仁(けんと)君(5)が死亡。父親(44)も救助の際に顔にやけどをして入院し、救助にあたった40代の男性もやけどを負った。火災は約30分後に鎮火したが、多くの来場者でにぎわう会場は一時騒然となった。

 警視庁四谷署などによると、健仁君は高さ約2メートルのジャングルジムの中で遊んでいたとみられる。父親や来場者らに運び出されたが、すでに心肺停止の状態だった。焼死とみられる。ジャングルジムの骨組みには、アートとして、かんなくずのようなものが絡みつくように飾られており、中から電球で照らしていた。署は電球が発する熱などが原因で、このかんなくずのようなものから出火した可能性があるとみて、業務上過失致死傷容疑も視野に調べる方針。

 会場は軟式野球のグラウンド。企業や大学などが制作した現代アートが複数並べられ、子どもたちが遊べるように開放されていた。燃えたジャングルジムは、日本工業大学の工学部建築学科などの学生が制作した。イベントの主催は東京デザインウィーク株式会社。経済産業省が後援し、昨年は10万人以上が訪れた。
http://www.asahi.com/articles/ASJC6641PJC6UTIL010.html


神宮外苑火災「白熱電球使った」 LEDだけの予定変更

2016年11月7日11時27分

 東京・明治神宮外苑であったイベント「東京デザインウィーク」で展示物が燃え、男児(5)が死亡、2人がけがをした火災で、燃えた展示物を作った学生が、「(展示物を照らす照明に)LED電球とともに、白熱電球も使った」と話していることが警視庁への取材で分かった。本来はLED電球だけの予定だった。白熱電球LED電球よりも表面温度が高くなる性質がある。焼け跡からは投光器に使われていたとみられる白熱電球が見つかった。

 火災は6日午後5時15分ごろ発生。日本工業大学の学生らが作った木製のジャングルジムのようなアート作品が燃え、遊んでいた東京都港区の幼稚園児、佐伯健仁(けんと)君(5)が死亡し、父親(44)らがけがをした。

 四谷署によると、ジャングルジムの中心部分には、木くずが絡みつくように飾り付けられ、上下からライトアップされていた。本来はLED電球だけで照らすことになっていたが、作業用に持ち込んだ白熱電球が付いた投光器も使い、下からも照らしていたとみられる。署は、この白熱電球の熱が木くずに伝わって燃え広がった可能性があるとみており、7日午前、業務上過失致死傷容疑で現場検証を始めた。

 照明器具などを販売する事業者でつくる日本照明工業会によると、白熱電球LED電球に比べて表面温度が高くなるため、火災のリスクが高いという。



■「元気いっぱいな子」

 火災から一夜明けた7日、亡くなった佐伯健仁(けんと)君(5)が通う東京都港区の幼稚園には、園児が保護者らに付き添われて登園した。涙を浮かべる保護者もいて、園は沈痛な雰囲気に覆われた。

 健仁君はこの幼稚園の年中クラスだった。健仁君を知っているという保護者の女性はニュースで火災を知ったといい、「明るく、元気いっぱいなお子さんでした」と話した。別の女性は涙を浮かべ、「言葉になりません」と声を震わせた。園の職員は「昨日の出来事で、どう対応していいか分からない」と話していた。
http://www.asahi.com/articles/ASJC731X5JC7UTIL005.html

亡くなった男の子は私の子どもと同い年。また、問題になっている日本工業大学は私にとって無関係な存在ではない。だから、幾重の意味で心が痛む。
先ず、こういうことを言うと、不謹慎だぞ! 空気を読め! と言われそうだけど、木製のジャングルジムというアイディアは面白いと思った。実際、子どもにも(遊具として)気に入られたわけだ。子どもが気に入ったからこそ、こういう事故が起きたともいうことができる。普通、気を遣うとしたら、ジャングルジムの強度についてであって、炎上しているところを想像していた人は殆どいなかったのでは? 
原因はあっさりと推定されてしまった。今後は、どういう経緯で「白熱電球」を使用することになったのか、誰が決定に関わったのかなどが検証に付されることになるのだろう。今回関わった学生たちも、将来建築家やエンジニアになって、現場の事故に直面し、自らの責任を問われるという可能性がないということはないだろう。それをかなり前倒し的に体験してしまったといえる。だからこそ、これからの試練を誠意をもって生き抜いてほしいと思うのだ。
See also


成田健一(日本工業大学学長)「東京デザインウィーク火災に関するお詫び」https://www.nit.ac.jp/whats_new/view/1783
「「責任はすべて大学にある」 神宮外苑の火災受け学長」http://www.asahi.com/articles/ASJC7339PJC7UTIL009.html
「主催者「悔しくてしょうがない」 イベントで5歳児死亡」http://www.asahi.com/articles/ASJC67FJ2JC6UTIL01Z.html