秋の陣

承前*1

春(3月から4月)に世の中を騒がせた三重県伊賀市の「ウィッツ青山学園高校」が9月になって、またニュースになっている。
NNNの報道;


ウィッツ青山学園“実質的経営者”を逮捕

日本テレビ系(NNN) 9月14日(水)13時15分配信


 三重県の「ウィッツ青山学園高校」を巡る「就学支援金」の不正受給事件で、東京地検特捜部は、通信制キャンパスの実質的経営者の男を詐欺の疑いで逮捕した。

 詐欺の疑いで逮捕されたのは、「ウィッツ青山学園高校」の関東地区担当部長で、通信制の東京・四谷キャンパスの実質的経営者だった馬場正彦容疑者(56)。

 特捜部によると、馬場容疑者は、国が生徒の代わりに授業料を払う「就学支援金」の制度を悪用し、受給資格のない高校の既卒者や実際には在学していない生徒ら13人について、不正に就学支援金を申請し、約244万円をだまし取った疑いが持たれている。

 馬場容疑者「(Q:不正なことをしたという認識はございますか)全くございません。僕は(支援金を)詐取していないと思います。私は法をおかしたつもりは全くございませんが、(特捜部には)真実を述べたいと思っております」

 特捜部は、馬場容疑者が就学支援金の受給資格がない生徒を勧誘し、組織的に不正受給を繰り返していたとみて実態解明を進めている。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20160914-00000032-nnn-soci

朝日新聞』;

ウィッツ、高齢者を生徒に 温泉旅館で勧誘、支援金狙う

朝日新聞デジタル 9月15日(木)19時9分配信


 ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)をめぐる就学支援金詐欺事件で、逮捕された運営会社元監査役の馬場正彦容疑者(56)が実質経営するサポート校で昨秋、高校を既に卒業した高齢者約30人を入学させていたことが関係者への取材で分かった。「生徒になれば温泉旅行に行ける」などと誘っていたという。

 馬場容疑者は全員の就学支援金を申請しようとしたが、同県への申請前に問題が発覚し、支給されなかったという。東京地検特捜部は不正受給が目的で勧誘していたとみて調べている。

 馬場容疑者が実質経営するサポート校「四谷LETSキャンパス」(東京都千代田区)の関係者によると、埼玉県内の体操教室やスポーツクラブなどに通う高齢者に声をかけ始めたのは昨年春ごろ。同県内の温泉旅館や健康ランドなどに集め、「生徒になれば月6千円の負担で温泉旅行や体操教室に行ける」「高校は何度入ってもいい」などと誘って入学させたという。

 昨年4月に栃木県那須町のホテルであった説明会に参加した男性によると、馬場容疑者は「老人でも外国人でもいい。年収が350万円未満でなければ我々のビジネスモデルは成り立たない」と勧誘していたという。男性は「驚いたが怪しすぎる」と思い、入学や生徒の紹介はやめたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160915-00000099-asahi-soci

NNNと朝日で、馬場さんの肩書が違っているのだけど、どうなっているのだろうか。「関東地区担当部長」か「監査役」なのか。
さらに、9月17日付けの記事;

リポート代筆、2〜3万円を徴収 ウィッツ元監査役

2016年9月17日06時55分

 株式会社立ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)をめぐる就学支援金詐欺事件で、逮捕された運営会社元監査役の馬場正彦容疑者(56)らが、生徒のリポートなどを代筆する手数料として、1人あたり2万〜3万円を徴収していたことが関係者への取材でわかった。東京地検特捜部は16日、同校を捜索し、実態解明を進めている。

 馬場容疑者は、同校の入学窓口となるサポート校「四谷LETSキャンパス」(東京都千代田区)の実質経営者。関係者によると、同キャンパスでは「代理店」と呼ばれる馬場容疑者の知人ら約20人が協力して、生徒を勧誘していた。

 入学した生徒の多くは奨学金を借りることを勧められ、得た奨学金から年間約40万円を「学習支援料」などとして同キャンパスに納めていた。うち一部は「代理店」に渡り、年間約30万円が基本だったという。

 「代理店」は、生徒の入学後は単位認定のためのリポートやテストも、必要に応じて無料で請け負っていたという。だが、2014年ごろから就学実態のない生徒が増え、「代理店」では管理しきれなくなった。このため馬場容疑者らに頼んで代筆してもらい、「代理店」から生徒1人あたり2万〜3万円を同キャンパスが徴収していたという。キャンパスの関係者は「テストを代筆してはいけないという感覚がまひしていた」と話した。
http://www.asahi.com/articles/ASJ9J5HP1J9JUTIL03S.html

まあ書面化された契約にはなってはいなかっただろうけど、「生徒」と「代理店」との口約束で、レポートも「代筆」してあげるから心配しないでね、というのがあったのかも知れない*2。この記事の書き方だと、この「代筆」は馬場の個人的な犯行でなくて、「 四谷LETSキャンパス」の組織的犯行ということになる。