実証した?

先月、北朝鮮金正恩が水爆の開発に成功したぜとかまし、米国政府筋は北朝鮮にそんな技術はまだないとかわしたのだった*1。その後、北京で「牡丹峰楽団」事件が起こって、それについての情報を集め、何か書こうとして書かず、年が暮れ・年が明け、金正恩の「水爆」発言も半ば忘れていた。そうしたところに、北朝鮮が「水素爆弾実験」という報道(ただ、まじで「水爆」なのか、はったりなのかはまだわからず)。
朝日新聞』の記事;


北朝鮮が「初の水爆実験に成功」と発表 特別重大報道で

ソウル=東岡徹、牧野愛博 ソウル=東岡徹

2016年1月6日12時43分


 北朝鮮は6日午後、「6日午前10時(日本時間10時30分)、朝鮮で初の水素爆弾実験を成功させた」と発表した。朝鮮中央通信が伝えた。北朝鮮による核実験は2013年2月以来、4回目。韓国政府は同日正午に国家安全保障会議(NSC)を招集した。北朝鮮の核実験により、朝鮮半島での緊張が高まるのは必至の情勢だ。日本政府もNSCを開き、情報収集と分析を始めた。

 北朝鮮金正恩(キムジョンウン)政権は経済改革と核開発を同時に進める「並進路線」を主張。日米韓は、北朝鮮弾道ミサイルに搭載できる核爆弾の小型化を目指し、実験を更に続けるだろうとみていた。ただ、北朝鮮が水爆を開発する技術力は保有していないとしている。北朝鮮は最近、国際的な孤立を深めており、「水爆」による核実験という最も強硬な対応に踏み切った。

 韓国気象庁によれば、北朝鮮北部、咸鏡北道吉州(ハムギョンブクトキルジュ)郡の北方約50キロの地点(北緯41・39度、統計129・41度)で6日午前10時半ごろ、マグニチュード(M)4・3の人工地震を感知した。吉州郡豊渓里(プンゲリ)には北朝鮮の核実験場がある。

 北朝鮮は過去、2006年10月、09年5月、13年2月の計3度にわたって核実験を実施。最近も同実験場で4本目の新たな実験用トンネルの掘削が確認されていた。韓国国防省関係者は「北朝鮮はいつでも核実験を実施できる準備を整えている」と指摘した。

 同庁の観測では、06年の実験の際はM3・9、09年はM4・5、13年はM4・9程度。北朝鮮は爆発力の強い水爆を使ったと発表したが、爆発規模は過去よりもやや小規模だった。

 韓国メディアによれば、欧州地中海地震学センターや、米国地質調査所、中国地震センターなども地震発生を確認した。震源北朝鮮北部の両江道(リャンガンド)白岩(ペクアム)郡の可能性もあるという。

 北朝鮮は09年の実験の際、「小型化、軽量化した原子爆弾を使った」と説明したが、日米韓は北朝鮮弾道ミサイルに搭載できる核爆弾の開発には成功していないとみていた。

 北朝鮮には水爆を開発する技術力はないとみられるが、今回、核融合技術を一部使って爆発力を飛躍的に高めた「ブースト型核分裂爆弾」(強化原爆)を使った可能性は残されている。

 北朝鮮は現在、ウラン型とプルトニウム型の核爆弾10数個を保有しているとみられる。ヘッカー米スタンフォード大教授によれば、2020年までに計50個の核爆弾を保有する可能性もあるという。

 韓国政府によれば、北朝鮮は今回、中国に対して実験を事前に通報しなかった。過去3回の核実験では、実験直前に中国に通報してきた。中国の習近平(シーチンピン)政権は北朝鮮の核開発を厳しく批判。冷却した中朝関係が背景にあるとみられる。

 今後、国連安全保障理事会が新たな制裁決議の採択を目指すとみられるが、中国の対応次第では、国際社会がより強硬な制裁に踏み切る可能性が高い。(ソウル=東岡徹、牧野愛博)

     ◇

 北朝鮮朝鮮中央テレビは6日正午(日本時間同日午後0時半)からの「特別重大報道」で、「6日午前10時に初めての水素爆弾実験に成功した」と伝えた。朝鮮中央通信は6日、金正恩第1書記は昨年12月15日に水素爆弾実験を実施する命令を出し、今月3日に最終命令書に署名したと伝えた。(ソウル=東岡徹)
http://www.asahi.com/articles/ASJ163Q35J16UHBI00X.html

時々刻々の動きについては、Claire Phipps “North Korea nuclear test: regime says it has successfully detonated hydrogen bomb – live”*2が詳しい。また、北朝鮮の「核」には例えば、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061016/1161008215 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061028/1162054757 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090528/1243466295 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090610/1244593683 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150430/1430406795でも言及している。