処分された「すご腕」

毎日新聞』の記事;


<社労士>書き込み「社員うつにさせる方法」会員権停止に

毎日新聞 12月30日(水)7時46分配信


 愛知県社会保険労務士会(鬼頭統治会長)は、同会会員の社労士が「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」などとした文章をブログに記し「社労士の信用、品位を害した」として3年間の会員権停止処分と退会を勧告することを決めた。処分は同会の規定で最も重い懲戒処分という。

 社労士は自身のブログに、社員を「うつ病にして会社から追放」する方法として「バツを与えるべき根拠を就業規則に盛り込みましょう」「モンスター社員に降格減給与えてダメージ与えます。適切な理由でっち上げましょう」「万が一本人が自殺したとしても、うつの原因と死亡の結果の相当因果関係を否定する証拠を作っておくこと」などと記し、11月24日にブログに掲載した。ネット上で批判が相次ぎ、現在ブログは公開されていない。

 内容を問題視した日本労働弁護団や「全国過労死を考える家族の会」が監督官庁厚生労働省に厳しい監督を要請していた。

 愛知県社労士会によると、今月25日の臨時理事会で処分を決め、28日に郵便で処分内容を記した文書を発送。厚労省にも処分を報告した。会員権停止で会の役員就任や会の事業への参加はできなくなる。会は社労士法に基づく法定団体で、退会した場合はその会が所在する都道府県では社労士として活動できなくなる。

 愛知県社労士会の担当者は「国家資格である社労士資格を会が奪うことはできない中で一番重い処分とした。それぐらいブログの内容は許容できないものだった」と話している。

 この社労士は、事前の毎日新聞の取材に対して「処分が出た場合、粛々と従う」と話していた。【東海林智】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151230-00000004-mai-soci

この件については、


キャリコネ編集部「ストレスチェック制度は「うつ病社員のあぶり出しに使え」 「すご腕社労士」のトンデモ主張が再炎上」https://news.careerconnection.jp/?p=18942
キャリコネ編集部「「懲戒しなければ社会不安を増加させることになる」 厚労相に「すご腕社労士」への処分を求める署名活動が始まる」https://news.careerconnection.jp/?p=19289
キャリコネ編集部「「すご腕社労士」新聞・テレビも取り上げる 識者は「ブラック士業」が出現する背景を指摘」https://news.careerconnection.jp/?p=19436
kyama77*1「ブログで「社員をうつ病に罹患させる方法」を書いた社労士に批判の声が続出」http://matome.naver.jp/odai/2145057260676730101
今野晴貴*2「ブログ炎上で露わになった「ブラック士業」の実態」http://bylines.news.yahoo.co.jp/konnoharuki/20151218-00052579/


をマークしておく。
剛腕というのはやはり(別の)あの方のために取っておかれるべき言葉だったのか、というのはともかくとして。これは今まで数多のブラック企業或いは全体主義体制(運動)において自覚的・非自覚的に実践されてきた〈人格破壊〉の方法だといえるだろう。「すご腕」は自らの言説について、「「表現の自由」の範囲内と主張したという」*3。それに倣っていえば、今回の「愛知県社会保険労務士会」の「処分」は同会の〈自治権の範囲〉ということになる。それ以上に、この「すご腕」ちぇんちぇー、これからが大変だと思う。例えば、子どもがいじめで自殺に追い込まれたとしても、怒ったり悲しんだりすることは許されない。いじめた奴に跪いて、私の理論の有効性を実証していただいてありがとうございました! とお礼を言わなければならないからだ。
ところで、「すご腕」ちぇんちぇーの言い訳が凄い。「この社労士は「モンスター社員を真人間にするためとの思いで書いたが、誤解を与え、申し訳ない」と話している」*4