「女装」嫌い?

キャリコネ編集部「石原慎太郎「女装タレントの流行は世の中が狂ってきた証なのか」とツイート 相変わらずのLGBT差別に非難殺到」https://news.careerconnection.jp/?p=39136


曰く、


東京都知事石原慎太郎氏が8月2日、女装タレントが増えた、という内容をツイッターに投稿して物議を醸している。

「最近、女装した男のテレビタレントが大流行だが、あれは一体どう言うことなのだろうか。さっぱり訳が分からない。世の中が衰退し、何でもありと狂ってきた証なのだろうか」
https://twitter.com/i_shintaro/status/892649578494701568
本当に「女装した男のテレビタレントが大流行」なの? 
石原慎太郎は過去に散々「同性愛」差別発言をしてきたわけだけが*1、「女装」に対する差別というのはLGBTとは次元が違う。ヘテロセクシュアルの人だって、異性装をするよ。1970年代、ロバート・プラントはステージで女物のブラウスを着ていた。まあ、セックス/ジェンダーの間に起り得る一切の揺らぎが許せないということなのだろう。勿論、男が女を演ずる(こともある)お能や歌舞伎を排除すれば日本文化はその重要な部分を失ってしまうわけだけど、服装のジェンダー的規範化が進んだのは、近代化に伴ってというか、日本でいえば明治以降ということになる。石原(及びその支持者)の感性というのはお能や歌舞伎に違和感を感じない前近代の人からすれば決定的に新しすぎるわけだけど、逆に言えば決定的に古すぎるわけだ。敢えて言ってしまうと、グラム・ロック以前! これは政治的左右の問題とも別次元の話だろう*2。5月の韓国大統領選挙における「同性愛」を巡っての、文在寅と洪準杓の争いに関して、どちらも「日本でいうと、安倍昭恵稲田朋美未満、石原慎太郎とか柴山昌彦とか百田尚樹とかと同じ水準という感じはする」と思ったということはあった*3。また、日本の左翼でも、向坂逸郎菅孝行の問題もあったわけだし*4。また、何でも〈文明〉の盛衰に結び付けたがる態度が問題だともいえる。「個人的な嫌悪感を「世の中が狂ってる」と主語を大きくしてすり替えるの、カッコ悪いですよ」ということだ*5