竹秋、そして麦秋

オオカミの護符 (新潮文庫)

オオカミの護符 (新潮文庫)

小倉美恵子『オオカミの護符』という本の中で、「竹秋」という言葉を見つける(p.40)。竹は春先に葉を枯らし、筍*1が収穫される。著者が生まれ育った「神奈川県川崎市宮前区土橋」は「昭和四〇年代まで関東一円では随一のタケノコの名産地だった」(p.37)。
「竹秋」とは少し季節がずれる麦秋の話。先月、『ガーディアン』の原節子死亡記事*2を読んでいて、小津安二郎の『麦秋』がEarly Summerと訳されているのに軽いショックを覚えたということがあったのだ*3。勿論間違ってはいないのだが、英国にせよ米国にせよカナダにせよ、英語圏というのは基本的に麦の国だろう。だったら、麦の収穫期に対する特別の言葉があってもいいじゃないか*4

麦秋 [DVD] COS-022

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*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120409/1333984859

*2:Andrew Pulver “Tokyo Story's Setsuko Hara dies at 95” http://www.theguardian.com/film/2015/nov/25/tokyo-storys-setsuko-hara-dies-at-95

*3:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151127/1448596355

*4:因みに、英語では「麦」という植物は存在しない。つまり、大麦(barley)、小麦(wheat)、ライ麦(rye)は「麦」のヴァリエーションではなく、それぞれ全く別種の植物として認識されている。