カフェインで絶命

毎日新聞』の記事*1


カフェイン中毒
九州の20代男性、大量摂取で 「ドリンク」常飲

毎日新聞2015年12月22日 西部朝刊

 福岡大(福岡市)は21日、九州地方の20代前半の男性が昨年、カフェインを大量摂取し、中毒死したと発表した。解剖でカフェインの血中濃度が致死量に達していたことが分かったという。男性はカフェインを含む「エナジードリンク」と呼ばれる清涼飲料水を常飲していたほか、カフェイン錠剤も服用していた。解剖した同大の久保真一教授(法医学)は記者会見し「短期間の大量摂取は危険だ」と注意を呼びかけた。

 厚生労働省によると、過去10年間にカフェイン中毒による死亡例はない。久保教授は「自分の知る限り国内で初めて」としている。

 同大によると、男性はガソリンスタンドで深夜から早朝まで勤務し、眠気覚ましとして1年以上前からカフェイン150ミリグラム程度を含むエナジードリンクを飲んでいた。亡くなる約1週間前から家族に体調不良を訴え、吐くこともあった。昨年のある日、午前11時半ごろ大量に吐き、寝ていたが、午後4時ごろ家族によって意識を失った状態で見つかり、死亡が確認された。

 警察の依頼で解剖したところ、男性の血液1ミリリットルから致死濃度(79〜567マイクログラム)に当たる182マイクログラムのカフェインを検出した。胃からもカフェイン錠剤の粉末が見つかり、カフェイン中毒死と結論づけた。

 血中濃度から推定される経口摂取による致死量は3000ミリグラム(3グラム)程度。血中濃度が半分に下がるのは3〜6時間後で、短期間に大量摂取すると頭痛やめまい、吐くなどの中毒症状が表れる。

 カフェイン錠はビタミン剤などと同じ「第3類医薬品」などとして市販され、1錠でコーヒー2杯に相当する100ミリグラムを含んでいるものや、それを超える商品もある。

 久保教授は「エナジードリンクを大量に飲んだり、カフェイン錠を併用したりすると、知らないうちに血中濃度が高くなり中毒になる可能性がある。アルコールと同時に摂取すると、カフェインを分解する能力が低下し危険だ。注意してほしい」と話した。【関東晋慈】


急性作用の恐れも

 エナジードリンクに定義はないが、清涼飲料水にカフェイン、ビタミン、アミノ酸などを含有した炭酸飲料で若者らに人気がある。公益財団法人「日本中毒情報センター」(茨城県つくば市)によると、1本(160〜500ミリリットル)当たり14〜180ミリグラムのカフェインを含有し、中には眠気覚ましと称して1本(50ミリリットル)に100〜150ミリグラムを含有する商品もある。20〜30本を一気に飲むと致死量に達する計算だ。

 内閣府食品安全委員会は食品中の摂取許容量を設定していない。ただ、同委が2011年に発表した資料は「中枢神経系の刺激によるめまいや心拍数の増加、興奮、不眠症などの急性作用をもたらすことがある」としている。【川上珠実】
http://mainichi.jp/articles/20151222/ddp/041/040/022000c

最初、別のソースでこの「カフェイン中毒」事件を知ったとき、不安を煽っているなと思った。ちょっと前のソーセージの発癌性問題もそうだけれど、普通に珈琲やお茶を飲んでいる分には心配無用だということを同時にアナウンスすべきだろう。とはいっても、相変わらず珈琲をがぶ飲みしているけれど。
エナジードリンク」か〈ソエジー・ドリンク〉*2か知らないけれど、そもそもサプリメントだの機能性食品だのというのがいかがわしいものだと思う。純化した栄養成分を効率的に摂取するという発想に、反文化的というか文明的な野蛮を感じてしまうのだ。食品添加物とかには神経質になる人でもサプリメントだの機能性食品だのを拒否する人は多くないのでは? 寧ろ大いなる効能を謳った健康食品のよき消費者になってしまう傾向があるのでは?
それはそうと、カフェインを「アルコールと同時に摂取すると、カフェインを分解する能力が低下し危険だ」というと、酔い覚ましに珈琲を飲むというのもよくないの?

*1:See also 関東晋慈「カフェイン中毒死:血中濃度、致死量…短期間に大量摂取か」http://mainichi.jp/articles/20151222/k00/00m/040/128000c

*2:飲むと陰謀理論を唱えるようになります。