謎の先祖

NHKの報道;


ニホンオオカミ 起源に迫る有力な成果 山梨大などがDNA分析
2022年5月11日 5時15分


100年以上前に絶滅したとされるニホンオオカミ*1は、大陸から日本列島に渡った大型のオオカミと、これまで知られていなかったオオカミが交雑して誕生したことがDNAの分析からわかったと山梨大学などの研究グループが発表し、謎の多いニホンオオカミの起源に迫る有力な成果として注目されます。

ニホンオオカミは、かつて日本列島に広く生息していましたが、100年以上前に絶滅したとされています。

日本列島には化石などから、ニホンオオカミとは別に2万年以上前に世界最大級の大型のオオカミが生息していたことがわかっていて、ニホンオオカミに進化したとする説もありますが、詳しいことはわかっていませんでした。

山梨大学国立科学博物館などの研究グループは、いずれも栃木県で発見されたニホンオオカミの化石と大型のオオカミの化石からDNAを抽出して分析を行うことに成功しました。

その結果、日本列島には3万5000年前までに大陸から大型のオオカミが渡ってきて、その後、さらに1万4000年前までに再びオオカミが大陸から渡ってきて交雑し、ニホンオオカミが誕生したという結論に達したということです。

1万4000年前までに再び渡ってきたのは、これまで知られていないオオカミだということで、謎の多いニホンオオカミの起源に迫る有力な成果として注目されます。
(後略)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220511/k10013620171000.html

「3万5000年前」の狼や「1万4000年前」の狼と現在棲息している狼との関係はどうなっているのか? 「3万5000年前」の狼にせよ1万4000年前」の狼にせよ、ニホンオオカミにせよ、或いは(狭い意味での)犬(イエイヌ)にせよ、ハイイロオオカミという単一の種内での亜種にすぎない。
日本では既に縄文時代に犬が飼われていたことがわかっている。「3万5000年前」とか「1万4000年前」とかに、狼が日本列島にやってきたとき、列島には既に犬はいたのだろうか。また、これらの狼たちと、現代の柴犬や秋田犬といった日本犬、或いは松獅犬のような中国の犬との関係はどうなっているのだろうか? 犬の起源については、東亜細亜(中国大陸)か中東かという論争があるように思うが*2、古代東亜細亜の狼が犬の起源問題に重要な意味を持っていることは間違いない。