平良とみ

朝日新聞』の記事;


平良とみさん死去 「ちゅらさん」おばぁ役

2015年12月7日01時56分


 「おばぁ」の愛称で親しまれた沖縄芝居を代表する俳優で、テレビや映画でも活躍した平良とみ(たいら・とみ=本名トミ子)さんが6日午前4時27分、敗血症による呼吸器不全のため、那覇市の病院で死去した。87歳だった。葬儀は8日午後2時から那覇市銘苅3の22のサンレー那覇北紫雲閣で。喪主は夫進さん。

 那覇市出身。小学生のときに母と2人で石垣島に渡り、13歳から地元劇団で舞台に立つ。1950年に沖縄本島に戻り、沖縄芝居の中心的俳優と目されるようになった。いくつかの劇団を経た後、夫の進さんと劇団「綾船」を結成。99年には沖縄県指定の無形文化財琉球歌劇」保持者に選ばれた。

 同年、中江裕司監督が沖縄を舞台に、二つの世代の愛を描いた映画「ナビィの恋」に出演し、知名度を沖縄の外へと広げた。2001年にはNHKの朝の連続テレビ小説ちゅらさん」でヒロインの祖母役に。小柄ながら強い存在感を放ち、「おばぁ」の呼び名で全国的な人気を集めた。

 舞台では、第2次大戦下の沖縄の悲劇を伝える「洞窟(ガマ)」や、米軍基地問題などを取り上げた喜劇「めんそーれ沖縄」などに出演、積極的に沖縄の歴史を語り伝える役を担った。「リア王」を下敷きにしたアングラ劇風なテント芝居に挑戦したこともある。

 廃れゆく沖縄方言(ウチナーグチ)に危機感を持ち、言葉や芝居の塾を開いたり、八重山地方の昔語りを収めたCDを残したりし、文化を次世代に伝承することにも熱心だった。03年に沖縄県功労者。14年に旭日双光章を受けた。

 今年初めに体調を崩し、入院していた。最後の舞台は昨秋、那覇市内の祭りで夫と共演した「五人の母」だった。

■沖縄のイメージ向上

 《NHKドラマ「ちゅらさん」で共演した沖縄市出身の噺家(はなしか)、藤木勇人(はやと)さんの話》 とみさんのおかげで、全国の人が沖縄と聞けば、元気で優しい「おばぁ」の姿を思い浮かべて親しみを覚えるようになった。本土の人が抱く沖縄のイメージを大きく向上させた功績は計り知れない。沖縄は女性がたくましい島と言われるが、まさにその象徴だった。またお会いできると思っていたのだが、残念でならない。
http://www.asahi.com/articles/ASHD65QQTHD6TIPE01Y.html

NHKの報道;

ちゅらさん」の祖母役 平良とみさん死去
12月6日 18時03分


NHKの連続テレビ小説ちゅらさん」に出演し、「おばぁ」の愛称で親しまれた沖縄出身の俳優、平良とみさんが、6日午前、敗血症による呼吸器不全のため、入院していた那覇市内の病院で亡くなりました。87歳でした。
平良とみ、本名・平良トミ子さんは、昭和3年に那覇市で生まれ、昭和17年から沖縄芝居の俳優として活躍してきました。平成11年に公開された映画「ナビィの恋」に主演したことで一躍注目され、平成13年のNHKの連続テレビ小説ちゅらさん」に国仲涼子さん演じる主人公の祖母役として出演しました。平良さんは沖縄のことばを使いながらゆったりとしゃべる語り口や愛くるしい笑顔などから、作品の中で呼ばれた「おばぁ」の愛称で親しまれ、その後も映画やテレビドラマなどで活躍しました。
平成15年に沖縄県文化功労者に選ばれたほか、去年の春の叙勲で「旭日双光章」を受章しました。
平良さんの所属事務所によりますと、平良さんはことしに入ってから体調を崩し、6日午前4時27分に、入院していた那覇市内の病院で敗血症による呼吸器不全のため亡くなりました。87歳でした。
告別式は8日に那覇市で行われます。


平良とみさんを悼む声
平良とみさん死去の知らせを受け、那覇市中心部でも平良さんを悼む声が聞かれました。34歳の女性は「自分は県外出身で、平良さんが出演したドラマや映画を見て沖縄を知ったので、本当に残念です。沖縄の宝を失ったと思います」と話していました。また、南城市の38歳の男性は「沖縄の女優さんと言ったらいちばんに思い浮かぶ人です。沖縄の芸能界の母ではないでしょうか。本当に残念です」と話していました。


国仲涼子さん「おばぁおばぁと慕われ」
平良とみさんが亡くなったことについて、NHKの連続テレビ小説ちゅらさん」でヒロインを務めた国仲涼子さんは、所属事務所を通じてコメントを出しました。コメントは次のとおりです。
「おばぁ、平良とみさん、突然の訃報で驚いてます。ちゅらさんの撮影では長い間お世話になりました。撮影の時も、普段の会話の時も、おばぁおばぁとみんなから慕われ小さい身体から溢れるパワーは、皆んなに元気を与えてくれました。大変な撮影の中、毎日顔を合わせると体調大丈夫?とずっと私の身体を気遣ってくれて、本当に自分のおばあちゃんの様でした。楽しい思い出は数え切れません。感謝の気持ちでいっぱいです。おばぁ…寂しいです本当に本当に、ありがとうございました。安らかにお眠り下さい」


ガレッジセール「笑顔で生きる大切さ教わる」
平良とみさんが亡くなったことについて、平成13年のNHKの連続テレビ小説ちゅらさん」で共演したお笑いコンビ、ガレッジセールの2人がコメントを出しました。このうちゴリさんは「大先輩ですけど、いつもカワイイと思っていました。つらくても苦しくても、いつでも笑顔で生きることが大切だということを教えてもらったような気がします。ご冥福をお祈りいたします」とコメントしています。また川田さんは「『ちゅらさん』の時からすごく優しくしてくれて、本当のおばあちゃんみたいでした。優しい声が今でも忘れられません。ご冥福をお祈りいたします」とコメントしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151206/k10010331811000.html

やはり『ナビィの恋*1は大きかったと思うけれど、そのほかにも中江裕司さんが関わった『ホテル・ハイビスカス』、『パイナップルツアーズ』*2、『真夏の夜の夢』、さらには『涙そうそう』(土井裕泰*3にも出演しており、その意味でも〈沖縄の顔〉といえるのだろう。
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