レタスは好きじゃなかった

J-CASTニュース』の記事;


平均年収2500万円、「レタス長者」の川上村 実態は中国人実習生に過酷労働強いる「ブラック農家」?
2014/12/ 4 19:15


日本有数の高原レタスの産地として知られる長野県川上村。平均年収が2500万円にものぼるとされ、「成功農家」のモデルともてはやされるが、一方で外国人技能実習生らに過酷な労働を課している、「ブラック農家」との評判もある。

外国人実習生の受け皿となっていた「川上村農林業振興事業協同組合」は、2014年9月に東京入国管理局から受け入れ中止の処分が下り、11月には解散が決まった。インターネットではその「黒すぎる実態」が話題になっている。


村の人口の19.5%が農作業を手伝う外国人実習生

長野県川上村は、四方を山々が連なり、千曲川の源流に位置する。その豊かな土地と水を生かした、レタスをはじめとした高原野菜の栽培が村の基幹産業だ。「数字で見た川上村 2012」によると、人口は4163人で、農家の戸数は566戸。レタスの年間出荷量は6万2604トン、販売金額は81億8045万円にのぼる(数字はいずれも12年3月末時点)。

高冷地でのレタスの生産は夏季に集中しているため、シーズン中は明け方から深夜まで、長時間の農作業が続く、キツい仕事だ。

加えて、農家の担い手は60歳以上の高齢者が多い。川上村の農家は40〜59歳の若い農業従事者が比較的多く、全国的にみれば恵まれた環境にあるのだが、それでも夏季の繁忙期には以前から学生アルバイトなどを募集して労働力需要を補っていた。

それを近年は、国の外国人技能実習制度を利用した中国人などの外国人実習生が農作業を手伝う。村が受け入れている外国人農業実習生の数は810人。じつに村の人口の19.5%を占める人数に及んでいて、その多くが中国人という。

そうした中で、外国人実習生を受け入れていた「川上村農林業振興事業協同組合」が2014年9月に、東京入国管理局から5年間の受け入れ停止処分を受け、また11月には解散を決めた。

同組合は村内の農家が起こした事業で、村も立ち上げには関わっていた。ただ、実習生の受け皿となる組合は周辺の南牧村などにもあり、現在は10社(組合)ほど。各農家が希望する組合を利用して実習生を受け入れているので、「必ずしも、(川上村の)組合を使っているわけではありません」(川上村)という。

一方、同組合の解散で受け入れ先を失う外国人実習生は、「他の組合が受け入れていくことで調整していくことになります」という。「利用していた農家は他の組合に頼むことになりますが、直ちに困ることもないと思います」と話している。

信濃毎日新聞(12月2日付)によると、東京入管は処分の理由を明らかにしていないが、組合役員の証言として、「実習生の在留資格で来日したのに農作業に携わらない者がいたなどの問題があったため、と入管から説明を受けた」と報じている。


不衛生な寄宿舎、規則違反に制裁金、他の実習生との交流禁止...

とはいえ、川上村のレタス農家が、外国人技能実習生に過酷な労働を課したり、賃金を満足に支払わなかったりする、「ブラック農家」との評判はくすぶっていて、実際に奴隷のように扱われていたと訴える外国人実習生はいたようだ。

日本弁護士連合会は2014年12月1日、川上村でレタスの生産などに携わった中国人実習生が書いたとされる、人権侵害を訴える投書をもとに独自調査した結果を公表した。

それによると、中国人実習生を長時間かつ休日の少ない厳しい労働環境と、狭く不衛生な寄宿舎が多いなどの厳しい生活環境に置いていたことや、他の農家の実習生との交流を禁止するなどの規制を設け、それに違反すると制裁金を科したり、預貯金を自由に引き出せないようにしたりと、実習生が逃亡や権利の主張を事実上できないようにしていた、と指摘。川上村農林業振興事業協同組合はそれを黙認していた、と断じた。

中国人実習生からの投書や相談は地域の労働組合などにも寄せられており、こうした実態が受け入れ停止処分につながった可能性はあるかもしれない。

インターネットでは、

「おかしいと思ったんだよ。俺も農業やってるが、今の日本で専業農家で2500万円なんて考えられないもの」 「広い土地があって人件費ゼロで高い高いレタスをつくれば、年収2500万円はいくだろ」 「移民は人手不足を補うためにやむを得ずみたいなことを言っておきながら、実際は給料をピンハネして経営者連中が儲けたいだけじゃん」

といった批判が多く寄せられている。

もっとも、


「日本人がおなじ条件で働かないんだから、外国人実習生を使うのは仕方ない。必要悪だろう」


と、擁護する声もみられる。
http://www.j-cast.com/2014/12/04222500.html?p=all

「外国人技能実習生」問題に関しては、随分以前だけど、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060817/1155831465 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071105/1194258899 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091028/1256748573で言及している。それから、政権が民主党に移り、自民党が再び奪うということが起こっているが、そうした上っ面の歴史の流れとは関係なく、「外国人技能実習生」という制度は続いているのね。正々堂々と労働市場を開放してしまえばいいのにそうはしないで言葉の操作で凌ごうとする。それはパチンコ屋やソープランドと共通する問題。話をマジな方向に転換すれば、これは最近世界的な議論が拡がっている「現代的奴隷制(modern slavery)」問題*1の一環であるといえるだろう。
素朴な疑問なのだが、「高冷地でのレタスの生産は夏季に集中している」ということで、それ以外の季節、秋、冬、春に、「中国人実習生」は何処に行っているの? そういえば、そもそも農業というのは(田植えとか収穫とか)短期的に大量の労働力を投入する必要がある産業なのだった。なので、昔からそうした短期的労働力を調達・組織する仕掛けが発達していた筈なのだ。こうしたことどもは、農業経済学者や農村社会学者によってかなり研究されている筈なのだが、具体的な研究は今思いつかない。沖縄の砂糖黍収穫を描いた篠原哲雄の『深呼吸の必要』という映画に、日本中の(信州のレタスも含む)収穫地を転々とする男が出てきた。そういえば、10年くらい前のことだけど、或る知人が1か月程姿を消したことがあって、秋になって、何処に行ってたの? と訊いたら、長野県の畑で働いてた、と答えたということがあった。
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さて、レタスはあまり好きな野菜ではない。サンドウィッチでBLTというのがあるけれど、ベーコンやトマトと違って、Lはあってもなくてもいいやという感じなのだ。サラダのねたとしても、レタスはルッコラは勿論のこと、セロリや胡瓜にも劣ると思うのだ。レタスを使った料理で美味しいと思うのは、広東料理で上湯と絡めて高火力で短時間炒めたもの。それくらい。ただ、それはレタスというよりは生菜と謂うべきなのかも知れない。