和訳本が出ていたのね

「辛辣の裏にある「痛み」―余華「ほんとうの中国の話をしよう」」http://d.hatena.ne.jp/takamm/20121130/1354298769


余華の『十個詞彙裡的中国』*1が『ほんとうの中国の話をしよう』というタイトルで和訳されていることを知る。しかも刊行は2012年。ちょうど私が英訳本を読んでいた頃だ*2。全然知らなかった。さて、『十個詞彙裡的中国』は台湾で刊行された本で、中国の代表的作家のエッセイでありながら、簡体字版というのはなく、中国国内で手に入るのはAllan H. Barrによる英訳本China in Ten Wordsだけなのだ*3

China in Ten Words

China in Ten Words

さて、余華の最近のテクストをメモしておく;


「中国荒誕的階級闘争史」http://www.21ccom.net/articles/sxwh/shsc/article_20140327103205.html
「時隠時現的文革歴史」http://www.21ccom.net/articles/lsjd/lsjj/article_20140414104347.html


どちらも面白いテクスト。例えば、最初のテクストの、レストランでクレディット・カードの使用を拒否されて、20万枚の1元札を突きつけた或る成金の復習。2番目のテクストは、2013年にかつて母親の「反革命」的言論をちくった(その結果、彼女は銃殺された)ことを告白した張紅兵の話*4が枕にふられているが、論旨からはちょっと外れる、「反日」問題に言及した、


钓鱼岛争端激发了中国民众越来越强烈的反日情绪。2012年9月,中国50多个城市出现反日游行,日系车和日式餐厅被砸,日企被烧。与此同时,大量抗日战争题材的影视作品也在中国最大的影视拍摄基地浙江横店拍摄。有个笑话说:中国最大的抗日战场不是淞沪会战和长沙会战,而是横店影视拍摄基地,那里被杀死的日本鬼子已经超过现有日本人口。
というパラグラフには思わず笑ってしまった。