「浪人」が減ってしまって

小林拓矢*1「校舎大幅削減の代々木ゼミナールから見える予備校業界の実情とは」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140828-00000024-wordleaf-bus_all


代々木ゼミナールが日本全国に散らばる校舎の7割を閉鎖するという。これは理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)と同様に、「解体的出直し」*2と呼ぶことが許されるだろう。
小林氏の記事によると、その背景には、「浪人生」の減少がある。「1992年に40万人程度いた浪人生が、現在では5万人に減ってしまった」。これは「少子化」のせいなのだが、それだけでなく、「少子化」にも拘わらず大学の数が増えていることが「浪人生」を減少させてしまっているのだと。「浪人生」に拘った代ゼミは負け組となり、早くから「現役生」を中心にシフトしていった河合塾駿台予備学校東進ハイスクールが(それ自体として縮小している市場における)相対的な勝ち組になったのだという。
そうか、「浪人」て減少の一途なんだねと思いつつ、そういえば社会的カテゴリーとしての「浪人」についての社会学的・人類学的研究ってあったのかしら? と首を捻ったり、文学や映像における「浪人」の、或いは予備校生の表象ってどんなものだったのかと思ったりもしたのだけれど、こういうことに口を出したり・手を出したりする余裕は当分ない。
代々木というと共産党と予備校。但し代ゼミには〈ベ平連〉のイメージが強いのは、小田実とか吉川勇一*3といった人々が教えていたからなのだろう。個人的には模試を1回くらい受けたことがあるくらいで、代ゼミに通ったことはない。私が行っていた研数学館*4は2000年に予備校としては閉校しているのだった。今Wikipediaを見たら、蓮實重彦先生も研数に通っていたことがあったのだ。
小林氏の記事の最後、


 今後、代ゼミはどうするのか? 代ゼミの校舎は堅牢であり、また多くの校舎の立地は駅前の一等地にある。一部ネットメディアでは「不動産業に移行するのか?」などとも書かれているが、代ゼミの広報担当者は「一部では先見の明があると言われているが、それはない。土地や不動産をどうするのかは決まっていない」と話す。

 「まだわからないことは多い。講義では高校1年生などに高校3年生や浪人生を教えていた講師を担当させ、一貫したストーリー性ある授業を展開したい。(加盟校に講義をオンデマンド配信する)サテライン予備校の全国展開も考えている」と話した。

テニヲハ、おかしくない? 大丈夫か、小論文試験。