でも「利用者」も悪い

承前*1

「宿題代行」問題について怒ったのは俺だけではなかったようだ。
J-CASTニュース』の記事;


「宿題代行サービス」作文1枚5000円!? 尾木ママ「れっきとした詐欺罪」「教育犯罪」と断罪
2014/8/28 16:58


夏休みの宿題代行サービスが話題だ。インターネットで「宿題代行」と検索すると多くの業者が存在していることが分かる。

子どもにとっては夢のようなサービスかもしれないが、教育評論家の尾木ママが「教育犯罪そのものです」と厳しく指摘するなど、批判的な声が広がっている。


今夏だけで70件依頼があった業者も
宿題代行を名乗る業者のホームページを見ると、「『宿題が提出期限に間に合わない!』『宿題で良い点を取りたい!』など…そんな悩みを我々が解決します!」といった、子どもたちには魅力的な文言が並ぶ。

サービス内容は漢字・算数ドリルから読書感想文、絵、自由研究まで、教科のジャンルは問わない。料金はドリル1冊で3500円から1万2000円など業者によって差があり、相場は分かりにくい。

数も多いことから、業者ごとに特色を出そうとしているようだ。ある業者のホームページを見ると、作文代行サービスの説明に「学生のアルバイトではありません。作文添削のプロが担当いたします」と書いている。プロが担当するだけあって、400字詰め原稿用紙1枚で小学生向け5000円、中学生6000円、高校生8000円と決して安くない。別の業者は「ほかの業者、サイトの方が安い!という時は値下げいたします!!」と商魂たくましくアピールしている。

TBS系の朝の情報番組「いっぷく!」(2014年8月25日放送)には受験総合アドバイザーという肩書で宿題代行業をしている男性が登場した。ドリル1冊5000円、読書感想文1枚3000円、自由研究・工作5000円という仕事ぶりを伝えた。

男性は仕事上の注意点として、「間違えそうなところっていうのは分かるので」と話し、わざと何か所か間違えながら問題集を解いていく。男性によると、今夏だけで約70件の依頼があったそうだ。依頼主は「病気で手が付けられない場合や受験で忙しくて宿題に手が回らない人」だという。


尾木ママ「子どもの学力を奪い誤魔化すことに」と危惧
こうした実態に激怒しているのが、「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹・法政大教授だ。「子どもたちに対しては『教育犯罪』そのものです!!」と強い口調で27日のブログに書いた。

「子どもに詐欺の正当性を教え、お金でなんでもできるという歪んだ価値観を教えることになります。子どもの学力を奪い誤魔化すことになりますね」と語る。「親も親ですね…」と依頼する親たちにもあきれている。

また、宿題代行サービスに従事している大学生には、「このような『教育詐欺』への加担からすぐに撤退してください!」と訴えた。「読書感想文の原稿用紙1枚が、どうして中3で、5500円もするのですか!?四〜五枚代筆すれば、それだけで三万円近く!これは大学教授の水準をはるかに超えた暴利ですよ」として、「勇気を奮って撤退してくださいね…尾木ママ、信じていますよ」と締めくくった。

尾木ママの指摘には、

「業者を頼り丸投げして子供は一体何を学ぶんでしょうね」
「代行してやってもらったことは、子供の身になーんにもつかないですよね」 「お金使う前に頭使って欲しいです」

と賛同する声が多い。
http://www.j-cast.com/2014/08/28214330.html?p=all

また、『デイリースポーツ』の記事;

尾木ママ“宿題代行業”は「れっきとした『詐欺罪』!!」

デイリースポーツ 8月27日(水)10時45分配信


 夏休みが終わりに近づいた27日、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏が、世間で大繁盛しているという「宿題代行業」に対して「詐欺罪だ」と攻撃した。

 小中学生の宿題を代行する宿題代行業は読書感想文から絵画、工作などを代行して制作するもので、ネット上では読書感想文1枚3000円とか、絵画1枚4000円などの代金も表示されている。

 こんなビジネスに対して尾木ママは27日、ブログで「犯罪に近いですね…一種の いや れっきとした『詐欺罪』です!!」と断じた。

 単に子どもが学力を養う機会を損なうというだけではなく「子どもに お金でなんでもできるという歪んだ価値観教えることになります」という教育上の重大な問題点を指摘。「こういう闇悪徳業者は追放するべきです」と断罪した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140827-00000028-dal-ent

尾木ママ*2のエントリーは、


「子どもの「宿題代行業」なんてとんでもない「闇悪徳業」ですね…」http://ameblo.jp/oginaoki/entry-11915825202.html
「コピペも論文詐称も「宿題代行」と同根…学生・研究者蝕む…」http://ameblo.jp/oginaoki/entry-11915843744.html
「学生の皆さん!宿題代行という名の「教育詐欺」犯罪は即刻おやめ下さい!」http://ameblo.jp/oginaoki/entry-11915974316.html
「ニーズがあれば商売なんでもOKなんでしょうか!?悪いのは業者じゃなく利用者!?」http://ameblo.jp/oginaoki/entry-11916002829.html


いちいちごもっともなのだけれど、やはり「利用者」も悪いと思う。この「利用者」というのは或る意味では「殺人請け負い」よりも質が悪いかも知れない。「殺人」を依頼するような奴、それを「請け負」うような奴はは、少なくとも悪いことをしているという自覚があるある筈なのだ。しかし、あの『週刊ポスト』の屑ライターの文章*3を読んでいちばん驚いたのは、悪いことをしているという意識の徹底的な欠如だったのだ。