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日曜日にNHK(Eテレ)で、「人を動かす絵 田中泯 画家ベーコンを踊る」というドキュメンタリーを放映していた*1。愛知県豊田市美術館で開催されるフランシス・ベーコン*2の回顧展*3のオープニングでのパフォーマンスを委嘱された田中泯*4 が、倫敦のテイト・ギャラリーで(初めて)ベーコンの作品に直接向き合い、さらにはベーコンが10代を過ごしたアイルランドのダブリン郊外の屋敷、彼が終生屯していた倫敦のソーホーを訪ねる。そして、ベーコンの絵画を身体によって描き直すが如き「献上」のパフォーマンス。また、映画作家デヴィッド・リンチのベーコンに関するコメンタリーも挿入されている。
ベーコンの絵というのは徹底的に具象的であると同時に抽象的でもあるのだが、その意味を、例えば俗流精神分析とか記号論とかを使って絵解きしようというのは、不毛でつまらない振る舞いだといえるだろう。しかし、田中泯というダンサーの肉体*5が介在することによって、それとは全く違う準位において、ベーコンの絵が分かりやすくなるというか、腑に落ちるようになるというのも事実なのである。
ベーコンの作品を直接観たのは(彼がまだ存命だった)1983年、竹橋の近代美術館にて。それから30年の間、日本で一度もベーコン展が開かれなかったというのも驚き。

中村文則『何もかも憂鬱な夜に』を読了。別の機会に詳しく書こうと思うのだが、(恥ずかしいことだけど)この小説は或る種の〈真理〉を提示している。また岡本隆司李鴻章*6も。

何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)

何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)

李鴻章――東アジアの近代 (岩波新書)

李鴻章――東アジアの近代 (岩波新書)

某古本屋にて、藤原彰、荒井信一編『現代史における戦争責任 現代史シンポジウム』(青樹書店、1990)、ブックオフにて、吉本隆明『真贋』(講談社文庫、2011)、岡崎京子『ショコラ・エブリデイ』(毎日新聞社、1992)を買う。

現代史における戦争責任―現代史シンポジウム

現代史における戦争責任―現代史シンポジウム

真贋 (講談社文庫)

真贋 (講談社文庫)

ショコラ・エブリデイ

ショコラ・エブリデイ