「海女保存会」

『読売』の記事;


海女漁の文化財指定を…三重で保存会設立

 2000年以上の伝統を持つとされる海女漁の文化財指定を目指そうと、三重県鳥羽、志摩両市の海女らが18日、「海女保存会」を設立した。

 文化財指定に必要な海女保存会設立は全国で初めて。

 保存会は、海女や地元漁協、学識者らで構成。水中メガネや鎌といった簡単な道具だけでアワビやイセエビなどを取る伝統的な漁を守るほか、海女が関係する祭りや行事、歴史的背景について学び、民俗文化としての価値を保存・継承する。

 志摩市で行われた設立式で、保存会会長に選出された同市の海女、三橋まゆみさん(64)は「海女は海を大切にし、資源を守ってきたことが誇り。海女の仕事を未来へ伝えていきたい」と述べた。

 同県教育委員会が2010、11年度に実施した「海女習俗基礎調査」などによると、全国18道県で計約2000人の海女が素潜り漁を行っており、うち鳥羽志摩地域は978人と半数近くを占めている。水産庁が1978年に行った調査では、同県内の海女は3167人で、30年余りで7割近く減少している。
(2013年5月18日18時25分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130518-OYT1T00535.htm

『海女習俗基礎調査報告書』は三重県教育委員会のサイトからダウンロード可能(まだしていないけれど)*1
こちらは石川県輪島の話;

輪島に海女さん大集合…10月に「サミット」


 輪島市で10月に「海女サミット2013inわじま」が開かれることになり、15日に市などが設立した実行委員会の初会合が開かれた。

 海女サミットは同実行委などの主催。全国の海女が交流を深め、地域活性化環境保全のあり方を考える場として、2009年に始まった。三重県鳥羽市志摩市で計3回開催され、輪島市での開催は初めて。

 初会合には、同市の梶文秋市長や漁協などの関係者らが出席。事業計画を決めたほか、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に海女漁の登録を目指すことも確認した。

 サミットは10月26、27日開かれ、全国から100人前後の海女が集まる。事業計画によると、初日は輪島市七ツ島周辺でアワビの種苗の記念放流や全国から集まる海女の交流会を予定する。27日は上智大学教授のあん・まくどなるどさんと、「海の博物館」(鳥羽市)の石原義剛館長を招き、海女文化をテーマにしたパネルディスカッションも行う。

 梶市長は「海女さんを主人公にしたドラマが放送され、注目も高まっている。素潜り漁で海を保全している海女を全国にアピールしたい」と話していた。
(2013年5月16日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20130515-OYT8T01612.htm

「海女漁」のユネスコ世界無形文化遺産登録運動については、上杉富之「近代的「文化」概念への挑戦――日韓の「海女文化」の創出とユネスコ世界無形文化遺産への登録運動――」(in 上杉富之、及川祥平編『共振する世界の対象化に向けて―グローカル研究の理論と実践―』成城大学民俗学研究所グローカル研究センター、2011)も参照のこと*2