ついこないだ100歳の誕生日を迎えられたばかりだというのに、新藤兼人監督*1が亡くなったんだね。ただ老衰のため自宅で死去ということは取り敢えず穏やかな死であったわけだ。
『産経』の記事;
新藤兼人の映画でいちばん印象に残っているのは『竹山ひとり旅』、それから実際の家庭内暴力事件を扱った『絞殺』。ここでの(お連れ合いでもあった)乙羽信子の演技は凄まじかったの一語に尽きる。それから鈴木清順の『けんかえれじい』*2のシナリオを書いているということも書いておかなければならない。因みに、私は新藤兼人の映画を観る前に新藤兼人の本を読んでいたのだった。ドキュメンタリー『ある映画監督の生涯・溝口健二の記録』を書籍化した『ある映画監督――溝口健二と日本映画――』*3。
映画監督 新藤兼人さんが死去 100歳
2012.5.30 16:13 [有名人の訃報]
日本映画界の現役最長老監督で、文化勲章受章者の新藤兼人(しんどう・かねと、本名・新藤兼登)氏が29日午前9時24分、老衰のため、東京都内の自宅で死去した。100歳。通夜は6月2日午後6時、葬儀・告別式は3日午前11時半、東京都港区芝公園4の7の35、増上寺光摂殿で。喪主は次男、次郎(じろう)氏。
昭和25年、吉村監督、俳優の殿山泰司らとともに独立プロの先駆けとなる「近代映画協会」を設立。翌年、乙羽信子主演「愛妻物語」で監督デビュー。「縮図」「第五福竜丸」など社会性の強い作品を発表した。
35年、瀬戸内海の小島で暮らす貧しい一家を題材に、小人数スタッフでロケ撮影した無言劇「裸の島」がモスクワ映画祭グランプリを獲得。以降「人間」「鬼婆」「裸の十九歳」「竹山ひとり旅」「ある映画監督の生涯・溝口健二の記録」などの秀作を送り出した。
80歳を超えても創作意欲は衰えず、平成7年には新藤作品のヒロインを務め続けた妻、乙羽の遺作「午後の遺言状」を発表、日本アカデミー賞最優秀作品賞などを受賞。昨年公開された「一枚のハガキ」は、第23回東京国際映画祭審査員特別賞、キネマ旬報ベストテン1位などに輝いた。
昭和47年から日本シナリオ作家協会理事長を長く務めた。平成9年に文化功労者、14年に文化勲章受章。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120530/ent12053016140016-n1.htm
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*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060304/1141444001 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090822/1250878432 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100506/1273143892 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120111/1326245838 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120513/1336879074
*2:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100716/1279307633
*3:映画の方は遺憾ながら観ていない。