知覚と「幻覚」(池谷裕二)

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100222/1266853963に関係あるか。

中村うさぎ池谷裕二「見る、聴く、触る」五感の謎」『波』(新潮社)508、2012、pp.66-73


「血液型」*1についてちょっとアレな発言もあるのだが(pp.68-69)、これは興味深い;


池谷 そもそも「見る」という行為は、ほとんど幻覚に近いと私は思っているのです。携帯電話でさえカメラは何百万画素もありますが、ヒトの目の網膜は百万画素しかありません。精度から言えば、荒くざらついた映像しか脳に届いていない。でも、脳が「見た」と感じる風景は全く違いますよね。少ない情報を得たうえで、脳は「目の前にあるのはきっと××だろう」と決めつけている。だから少ない情報でもこんなになめらかな世界を感じることができる。
網膜から入ってきたわずかな情報を手がかりに、本当は見えていないはずの膨大な情報を推測しながらリアルな体験をしている。だから幻覚に近いんです。(p.70)