呪物/文字(メモ)

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120102/1325438155に対するコメントに、「呪物としての文字があまりにも人々を縛っている国が日本だと思う」というのがあった*1
そこで、川田順造『地域からの世界史9 アフリカ』からメモ;


文字の機能として(略)メッセージの知的な伝達機能とともに、一種のおまじないとしての役割、呪性も見落とすことができない。漢字文化圏イスラーム社会に発達した、図像としての審美的な要素も含んだ文字表現(カリグラフィー)は、文字のこの側面に密接にかかわっている。聖句の文字に覆われたモスクの壁、『コーラン』の聖句を書きつけたオスマン帝国の軍装束、西アフリカ社会に広く用いられる『コーラン』の文字を書いた紙を縫いこんだ革袋のお守り、「耳なし芳一」の身体に書きつけられたお経の文字、「成田山」の焼き印を押した水難除けの木札などは、文字の呪性を示すよい例である。(pp.31-32)
アフリカ (地域からの世界史)

アフリカ (地域からの世界史)

「文字の呪性」というと、ピーター・グリーナウェイの『枕草子』を先ずは思い出してしまうのだが、川田先生のこの本は『枕草子』公開以前に書かれたものだった。
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See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070626/1182850626